最近、れっきとした大人が、このコロナ禍で子どもたちのために、
「できないこと」を一生懸命説明し、
「できない理由」を非の打ち所なく、突っ込みどころも許さず、列挙する様子に出会いました
私は、何事においても、
「できない理由」を挙げる、という最も思考力の要らない脳の単純作業を、
極力しないように心がけているので、
それなりの立場で、子どもたちを守り育てる役割を持ったそういう方々が、
全力で「できない理由」を諦めたように、吐き捨てるように、それなのに饒舌に語る様子に、
正直、
それまで全ての、その方々との関係を清算したいくらい、
これまで私がその方々と話した全てをもう、忘れちゃっていいですよ、って言いたいくらい、
残念に思いました
大人はどうして、
いつも言い訳ばかりしているのでしょうか
お母さん、見て見て！
…ちょっと待って！今忙しいんだから！
お父さん、遊ぼう～
う～ん疲れているんだけど～
そんな小さな頃のやりとりから始まって、
結局いつまでも、子どもは大人の言い訳に付き合うしかなくて、
もっとこうしてほしいのに、
もっとこう言ってほしいのに、っていう、
ささやかな子どもたちの願いは届かず
少しずつ、あきらめて、あきらめて、子どもたちは日々生きています
コロナ禍で、異常に制限された生活を強いられている子どもたちの実態を、
どれだけの大人が自分の身に置き換えて考えてみたことがあるのでしょうか
旅行にも行けない、外食や飲み会もできない、あーあ、つまんないの
大人が仕事の余暇として、楽しみにしていたそういった楽しみを奪われている以上に、
刻一刻と成長を止めない伸び盛りの子どもたちの生活は、
もっともっと重要な部分で、いま、かなりのダメージを受けています
成長期に冷害に襲われたり、
雨が降りすぎたり降らなすぎたりして、
野菜がじゅうぶんに育たなくて、農家の方々が苦労して、消費者の手に通常通りに野菜が届かなくなる年があるように、いま、子どもたちの生育に、当たり前の日常生活に、大変なことが起きていることを、大人たちはどれだけ深刻に受け止めているでしょうか
子どもは、大人よりずっと順応性があり、優しくて、賢いです
だから、我慢して、その我慢が当たり前になって、実はすごく自分を封じ込めていることにも、子どもである間は気づかないことが多いです
いわゆる、麻痺状態のような感じで過ごします
毎日怒鳴られても、殴られても、麻痺します
それが当たり前だと思って日々過ごします
そういう子が成長して、全てを吐き出すことに、寄り添ったことが何度かあります
気づく時期は人それぞれです
本当ならもっとお日様の光を浴びて、
もっと雨の水を飲んで、大きくなりたかった野菜たちが、
日光や雨を待たずに時間で成長してしまう
中途半端にしか成長できないまま、
もっと思い切り伸びたかったなあって思いながらも、収穫されていく
その野菜たちにとっては、それでも私たちが美味しくいただくことで、
きっと天寿を全うしたことになるのでしょう
でも、子どもたちは、この子ども時代を背負って生きていく
きっと、それなりに、生きていく
頑張って生きていく
背負って生きていく
「しょうがないんだよ」と言わせていいんでしょうか
「しょうがないんだよ」と言っていいんでしょうか
私は、言い訳をしたくない
できない理由を子どもたちに説明したくない
そんな中でも何ができるか、どうやって生き抜くか、一緒に知恵を絞って、「生きる」意味を探りたい
残念な大人たちに会って、
私はもう、あの人たちとは語り合わない、と決めました
私は引きずり込まれない自信があるけど、多くの人は、
「できない理由」を挙げる、という、
誰にでもできる、思考力の要らない簡単な理論に、
流されていくのでしょう
だって、その方が楽だから
家に帰ってきて私がまずしたことは、
「第２のくら」の設計図を描くことでした
「新しい生活様式」とやらを、もっと子どもたちと楽しんでみせる
私はあきらめず、できない理由を説明なんかせず、考えもせず、
できることをやっていく
些細なことで、結局なんの役にも立たなかったとしても、
子どもたちとの暮らしを諦めたくない
子どもたちに関わる大人の方に、
いいえ、子どもとは無縁のところに生きている、と思っている方にも、そう思っていてほしい
子どもと無縁なんて人いないはず
私たちは全員、元子どもで、子どもはみんな、大人になります
私たちとともに社会を構成する人間になっていくのです
結局なんにもできなかった…となるかもしれない、でも、
みなさんの心の中で、いまを生きる子どもたちができるだけ、
たくさんの光を浴び、たくさんの雨を浴びてできるだけ大きく成長できるために、
どんな小さなことでもいいからできることはあるはず、って思っていてほしい
大人たちが、子どもたちをあきらめていない、ということを、
心の中から伝え続けてほしい
どうか、お願いします