どんぐり学舎では Qノート と呼んでいますが、
どんぐり倶楽部では わからん帳 と呼ぶ、間違いをコレクションするノートの作り方と実例をご紹介します

糸山先生の著書で紹介されているので、基本に忠実にどんぐりを進めていると必須のノートであることはご存じの方も多いと思います

巷には、様々な「勉強法」がありますが、わからん帳式は最も合理的で、簡単な方法だと「勉強法マニア」の私は本気で思っています

どんな子にも有効で、誰にでも簡単にできますが、実際、中学生になって、自力で作成する段階になると、なかなか作れないのが現状です

それは、学校の宿題や、家庭学習などで、やたらと新しい問題を解かせたり、新しい問題集を次々に渡したり、ただただ問題演習を反復させたりするだけで、自分のミスを分析することや、ミスの傾向をつかむことなどをする習慣がないだけなんだろうな、とは思います

でも、私自身、小学生のころから自分が「なんで間違えたんだろう」と考えることが当たり前だったし、間違えた問題だけに印をつけておいて忘れた頃に復習したりすることを自分で思いついて実践していたので、わからん帳式を初めて知ったときも「その通り!」とすんなり納得できました

勉強が得意な有名人の中にも、同様の方式で勉強した人は何人もいて、随所で紹介されています

小学生、中学生に共通する方法、それは「テストのミスをノートに貼る」ということです

小学生はただ切って貼っておくだけで、正答を大人が書いてあげます
付属の正答例があれば、それを切って貼っておいてもいいです

中学生は、切って貼った直後に、解き直しをします
解き直して解決したらOKで、解決しなかったり、解き直しが途中で止まってしまったら、「先生」に提出します
提出先は学校の先生が一番です
学校の先生は忙しそうでしょうけれど、ノートに的確に質問したいことが明記してあれば、解説を書いて返却してくださるはずです
ただ漠然と「数学がわからない」とか言われても私でも解説にこまりますが、
実際に問題を途中まで解いて、「ここから解説お願いします」と書いてあれば、忙しい合間を縫って、先生は解説をしてくださるはずです

もし、ノートが何日も返却されなかったり、ノートを受けとることを拒絶されたりしたら、仕方がないので、別の提出先を考えましょう
塾に行っている人は塾の先生がいいでしょう
塾の先生は絶対に断りません

塾に行っていない人は私に提出してください
中学生のわからん帳については別の記事にまとめます

さて、
切って貼るだけの小学生のわからん帳の実例です

小学生は単元テストだけでOKです
漢字は、学期末などにまとめのテストがあるので、それも含みます

作成するのは、「算数」と「漢字」のみです
他の科目や、国語の文章問題などは作成不要です

間違えた問題を直に切ってもいいし、コピーを取って切ってもいいです
裏表ミスがある場合はコピーが必要ですね

「算数」はノート1ページに1問貼付します








正答を必ずつけておきます
間違えずに大人が書いてあげます
または、プリントされた正答を貼付します

「漢字」は、
1ページに数問貼付できます
正答を書いてもスペースがかなりあまる程度に貼っていきます

漢字も正答を書いてあげたり、貼っておいたりします


どんなノートでもいいのです
お気に入りのノートがいいかもしれません

どんぐり学舎の場合は、
原則、6年生になったら「全問解き直し」をするように言っています
子どもたちにです

高学年になると、切り貼りも、正答を書くのも、自分でするようになる子もいます
できれば、そうできるように導いていきます

なぜなら、中学生からは全て1人でするからです

6年生になって、1年生からの自分のテストミスのコレクションを初めて解き直します
なんだか楽しそうでしょう
「こんな簡単なの間違えたんだ!?」「こんな漢字が書けなかったんだ!?」って感動がありそうでしょう
それに、解き直してもわからない問題が見つかるかもしれません
そうなれば、小学校卒業までに、できるようにしておかなくては、という道しるべになりますね

そして、最も大切なこと、一番、このノート作成で体感しておいてほしいことは、

間違えることは悪いことではない、ということです

間違えることが、理解に繋がるのだということ
テスト前に準備してなんとなく○がもらえてしまったら、素通りしてしまうこともあるのです
「できた」だけで「わかった」気持ちになり、本当はわかっていなかった、ということはよくある話です

小学校のテストはだいたい100点なんです、という親子と面談したことがあります
6年生でした
どんぐり問題を試しにやってみると、0MXも解けませんでした
「解き方がわからない」と言っていました
絶対に口出ししないで、と注意しても、親御さんは「ここがこうだからこうでしょう」と口を出し続けました
3度ほど注意して、諦めました
強く、習慣づいているのがわかりました
たぶん、「明日は単元テストです」と学校のスケジュールに書かれていれば、前日に、100点が取れるようにこんな風に特訓していたんだろうな、と想像できました
「解き方を教えれば解けるんです」と息を切らして親御さんは微笑みました
「解き方は子どもが自分で考えるんですよ」と言うと、腑に落ちない表情をしていました

その親子がどんぐり学舎に通うことはありませんでした
同じ中学に進んだ子から、その子が中学では勉強についていけなくなっているらしい、と聞きました
1年生の最初から塾へ行っているようだけど…と
もう大人です
今頃どうしているかしら

その子の「考える力」は、必死に「できる子」にしようと頑張っていたあの親御さんの手によって、成長を止められてしまった可能性が高いのです

間違えることを大人が歓迎できないと、子どもは学力をつけられません

その「間違い」を、楽しくコレクションするのがわからん帳です

中学生になって、自ら学ぶ子になるかどうか、勉強に前向きに取り組む子になるかどうかは、
ここで決まると言ってもいいと思っています

どんぐり問題のわからん帳(お宝帳)とはまた別の、
学校進行に対するわからん帳の実例つきの説明でした