旬な話題「宿題」
まだまだ各地で論争が続いているようです

私のところにも、全国各地から、宿題交渉の武勇伝…撃沈体験…悲喜こもごも…報告が届きます

中学の意味不明な校則も同様ですが、宿題も、はっきり言って、
「子どもを管理」するために存在するものになってきています

本当に、子どもの学力のため、勉強の習慣をつけるために出されているとしたら、
先生はもっと子どもたちの学習状況を把握すべきだし、
ひとりひとりの習熟状況によって宿題を分けなければなりません

ノートに文字を書き写すのがやっとの子もいれば、
塾でどんどん先へ進んでいる子もいるはずです
それでもとにかく「みんな一緒の宿題を」やらせることに意義がある、と本気で主張してくる先生があまりにも多いこと、そういう方が年々増えていることに驚かされます

きっと、先生たちの中にも、「思考力」があまり豊かでない方が多くなってきているのでしょう
そうでなければ、そんなことを言うはずがない…というような発言も、全国各地から届きます

さて、そんな中、一昔前から笑ってしまうほど話題になるのが「自主勉ノート」です
「自主勉強」という、聞こえのいいネーミングですが、「強制的な宿題」のひとつになっている学校が多いようです
小学校に限らず、中学校でも出されているところがあります

全然「自主」じゃないんだよ、と生徒たちも苦笑しています

本当に「自主」だったら、「今日は問題集の宿題が多いからそっちを優先的にやる、だから自主勉はしない」というのもありだし、ノートに空白を空けながらゆっくり書くのも自主、詰めて書くのも自主です

でも、生徒たちに自主勉ノートを見せてもらうと、もちろん提出しないのは言語道断だし、やれ、もっと詰めて書けだの、自分で考えたことを書けだの、朱書きでいろいろ苦言が書いてあることがあり、こんなことをされたら大人だって自主性をなくすわい、と思ってしまうのですが

さて、小学校の自主勉ノートでどんぐり問題や塗り漢字を提出しているご家庭からノートの写真を提供していただいたので、今日はそちらをご紹介します

「ときどきどんぐり学舎」にときどき参加してくれている、近県のご家庭です

もちろん、

どんぐり問題を解くためには、このB5版ノートでは狭すぎるのです
でも、
この子は見開きで問題を解き、自主勉として提出していました
担任の先生はとても興味を持ってくださって、みんなに紹介してくれたり、先生ご自身の子育てにも活用しようとなさっているようです
保護者の方から聞きました
そんな先生もいるんですね!
ちなみに、私の子どもも時々どんぐり問題を自主勉ノートで提出していました
ノートでは狭いので、大きな用紙に解いたのを貼り付けて提出したこともありました
当時も先生は興味を持ってくださって、一言書いてくれたりしていたのを思い出しました

そしてこちらが塗り漢字を提出した例です
これこそ、先生によっては「これじゃあ練習量が足りません!」と説教してくるかもしれませんね
なにせ、B5ノート見開きに4枚しか貼れませんので

でも、この生徒さんの担任の先生は理解のある方だったようで、
どんぐり問題同様、いい勉強法だね、と褒めてくださったようです

もちろん、なにより大事なのは、親御さんが先生と直接いろいろな話をしていて、
理解を深めていただく努力をなさっていたことだと思います

小学校生活もあと1年を切ったご家庭です
悩み、苦しんだ時期もありましたが、お子さんは伸び伸びと、そして、とても賢いどんぐりっこに成長しています
ほんのときどきここへ来てくれるだけですが、会う度に成長を感じ、そして、なにより、親御さんが会う度に肩の力を抜いて、綺麗になっていくのがわかる、素敵な親子さんです

さて
ところで
宿題交渉シーズンに多いのが、「まだ大丈夫ですよね?」という質問です
「うちの子、宿題をやりたがるので、すぐ終わるからやらせてもいいですよね?」というのも多いです
「まだ文字をなぞるくらいなので、いいですよね」とか

どういう宿題が「有害」で、どういう宿題が「無害」なのか、保護者の方が判断して、その都度お子さんに選別してやらせる、というのもできなくはないかもしれません
でも、なんというか、そういうのも「子どもを管理する」の域にあるような気がしないでもありません
だから、私の場合は「宿題は一切しない」の方向で話をつけていました

小学校時代に身につけてほしいのは、「勉強はさせられるものではない」という意識です
どんなにささやかな宿題であれ、先生からの命令で内容と分量が決められ、やっていかない選択をした場合はペナルティが待っている、そんなことでは、将来、自主的に勉強する子は育ちません

命じられて勉強することに慣れている子を育てることにはなるので、ある時期までは、従順で、よく勉強するいい子だわ~というような優等生に見えるかもしれません

でも、「命じられて勉強する」ところから抜け出せない子は、中高生になってとても苦しむことになります
もちろん、そんな中、学ぶ喜びを見いだして、抜け出していく子もいないわけではありません
でも、小学生の時点で、「この子はいつか抜け出して自主的になる子だ」「この子はならない子だ」なんて判断は私にもできません

ものの数分で終わる宿題をやったくらいで、脳にとって「有害」になることはないと思います
でも、「家庭学習」=「宿題」というスタートを切ってしまったら、あとあと面倒なことになりそうだ~とは思います

なにせ、生活や遊びの中でも脳が管理されているような状態ばかりで、自主的に考えなければ動かないようなものは少なくなっているのですから

家庭学習は家庭の責任で、と宣言しておくのが一番無難だよ、といつも言うのです

そもそも、でも、もしかして、
親御さんたちがすでに、「命じられて勉強する」ことしか経験がないとしたら…
それはまた、別の問題になってきます

「学校の当たり前」は、ほとんど、「子どものため」ではないということを、
もう一回、親御さんたちも知ろうとしてみた方がいいかもしれません