中学1年生
初めての期末テストを終え、
初めてのQノート作りを始めています
Qノートというのは、
どんぐり倶楽部でいうところの「わからん帳」で、
どんぐり学舎&DKではそう呼んでいるのです
以下、夕べ、期末テストを全部持ってきて、
ノートもたくさん用意してきて、
初めてのQノートを作るために集まった生徒たちに話した、
私の言葉、少し加筆しながら、そのまま書きます
初めてのテスト、どうだった?
難しかったね
今、みんなのテストの問題と答案をひととおり見せてもらって、
いきなりこんな問題を出すんだなあ、ってびっくりしたよ
○○中の英語なんて厳しいよね
△△中の理科、これ、何問あるの?きっと、時間いっぱいだったね
でね、
全体的に見て、初めてのテストだから私、おおまかな準備のことしか言わなかったし、受けてみて、そのあと、みんながどうするか決めればいいって思ってたから、別にいいんだけど、私の感想としては、全体的に練習不足かもな、って感じたよ
みんなのテストの問題、DKの問題集で見たことある問題が多かったけど、DKの問題集、そこまで解いてない人多いよね
追いついてないよね
学校の問題集からもそのまま出題されてるよね
テスト前に言った、教科書の重要語のレベルも、たくさん出題されているけど、
覚えきれなかった感じかな
漢字も単語もね
スポーツでも、楽器でもね、
ルールや演奏方法を知ってるからって上手にできるわけじゃないよね
練習に練習を重ねて、やっとできるようになるわけだし、
必要な練習量が全員同じわけでもない
少し練習すれば習得できちゃう人もいれば、
たくさん練習しないとできない人もいる
勉強も同じなんだ
もし、次回、今回よりいい結果を出したいな、って思うのだったら、
今回、足りなかったことをしっかり記録しておけばいい
次回、準備を始める前に、まずはそのことを思い出して、
今度こそ、間に合うように準備したらいい
次の定期テストは2学期の中間で、9月末くらいだと思うから、
今は終わってすぐだから、悔しい気持ちとか、次は頑張ろう、って気持ちとか、しっかり心にあると思うけど、夏休みはさんだらたぶん全部忘れちゃう
忘れちゃえば、次回、また同じことをしてしまうかもしれない
同じように準備が足りなかったり、練習が足りなかったり、してしまうかもしれない
そして、そのままいつのまにか、3年生になっていくんだ
1回1回のテストを終えて、
80点だったら20点分、
40点だったら60点分、
正しく答えられなかった、という結果が出たわけだよね
じゃあ、それを返却されたら、何をしておけばいい?
その、失点分をしっかり勉強し直して、再テストしたら100点とれるようにしておく?
覚えてないことをしっかり暗記し直して、完璧に仕上げておく?
いいえ、
違います
いくら、すぐに解説を聞いて、再テストで正解できたとしても、
いくら、覚え切れていなかったことを暗記し直して、すっかり覚えたとしても、
忘れます
「覚えた」ことは「忘れ」ます
じゃあ、どうしたらいい?
それは、
記録しておく、ということ
3年生になった自分のために、
あなたはこの問題をこんな風に間違えた
正確にはこうですよ
っていう、メッセージを残すこと
解き方はこうですよ、こういう風に考えるんですよ、って
説明も書いておく、ということ
それがQノートです
これね、
毎年言うんですよ
中学1年生にね
みんな、よし、作ろう、って思うんですよ、最初は
でも実際、しっかり3年間作り続ける子は少ないです
なんででしょうね
面倒なのかな
時間の使い方がいまいちなのかな
3年になって、1年生からの復習のテストが高校入試に向けて、始まるんです
その時、学校の先生は「1年生からの復習をしてください」って言うんです
1年生からの復習、ってどんな風にしたらいいのかな
1年生で1年間勉強する5教科の、何をどう勉強したらいいのかな
市販の問題集もたくさんあるんですよ
1年生の総復習!
5教科一気に総復習!
みたいな、解きやすく編集されている問題集がね
それを、最初から最後まで全部解けば復習できるんでしょうか
そんな簡単だったら、みんなまずそういう問題集を解けばいいですね
でも、
違うんです
Qノートがあれば、
たとえば3年生になるまでの2年間で、
自分がどんなことを覚えきれなくて、
どんな問題を解けなくて、
苦手なのか、全部記録に残っているんです
3年生になった自分のために、
書き込めるスペースを空けながら作ります
だから、3年生になった自分が解き直したり、メモを加えたりもできます
解き直して、ああ、また忘れちゃったな、また解けなくなっちゃったな、って思ったら、
その問題に関する問題を、問題集などで探して解けばいいんです
3年生になると、期末テストなどの他に、
高校入試の準備のためのテストがほぼ毎月あるのですが、
2年間、自己分析を何もしてこなかった子は、ただただ、テストに振り回され、またそのテストのミスも溜まっていくので、どんどんやることが増えて、全部はこなせなくて、あれよあれよと受験の季節を迎えてしまいます
でも、
自分のミスの傾向がわかって、記録まで残っている人たちは、
そのノートを基本として、自分の弱い部分を強化したり、再度復習したり、そういうことが計画できるんです
だから、
毎年、必ず、Qノートを作っておくべき、という話をするのですが、
なかなか作り続ける人はいないんです
でも、作り続けた人は、みんな、高校入試を自分のプランで悠々と乗り越えていきました
3年生になった自分の、高校入試のための勉強のきっかけにするためのノート、というイメージで作れば、各科目、どんな風に作っておけばいいかわかると思います
たとえば、
国語だったら、期末テストなどで出題される、教科書の本文に関する問題などは、正直、高校入試のためにしっかり解けるようにしておく必要はありません
国語だったら「漢字」「文法」「古典」が、入試に似たような問題が出題される可能性があるので、国語のQノートは主にその3つの項目に当てはまる問題のミスだけ収録します
他の科目は、全部の問題を記録しておいた方がいいでしょう
特に、
数学は日頃の問題集や学校の宿題、小テストなどからもQノートを作っておけば百人力です
ノートに、間違えた問題と、間違えて書いてしまった答えをコピーして貼付し、必ず正答を書いておきます
1ページに1問、というかなり空白を残す貼り方で進めてください
正答は、模範解答が配られたのならそれをコピーして切り貼りすればいいです
正答を自分で書くと、間違えることもあるので注意です
以前、正答が書いてあって、「解説をして」と書いてあったので一生懸命解説を書いたのですが、どうしても答えが合わなくて、私の間違いなんだろうと思って2時間以上も格闘して、その後、その子が書いた正答が間違っていたことがわかったことがありました
時間も労力ももったいないし、がっかりするので、そういうことはないようにしてほしいです
そう、そうやって切り貼りで作ったQノートは、1ページに1問しか貼っていないので、問題の下に大きな空白ができます
もし、ページいっぱいに問題を貼ってしまうほど大きな問題だったら、見開きの隣のページを空欄にしておきます
ページをめくったところを空けておいても意味が無いので、見開きを空けるようにします
そして、まずはすぐに、その空白の部分に、もう一度自分で解き直しをします
ただのケアレスミスだった場合、テストを返却された時点で気づいたはずです
本当はわかってたのに!
でも、それも実力のうち、それも自分の特徴のひとつです
だから、しっかりノートに記録し、再挑戦し、
正解して、納得したら「OK」
もし、解けなかったり、解けたけどモヤモヤしたり、と、解説が必要だと思う問題には、そのようにメモ書きをしておきます
それで、サトちゃんに提出します
私は、OKのページにはスタンプを押し、
解説が必要だとメモがあるページには解説を書いて、付箋を貼って返却します
Qノートが返却されたら、
付箋の貼ってあるページを見て、私の解説やヒントを見ます
その上で、たぶんまだ空いている空白の部分に、再度、挑戦します
それでもわからなかったら、解けるところまで解いて、
またそのようなメモをして、また提出をします
付箋を剥がすのは、私で、
それは、みんながそのページに「OK」と書いて、全て解決した、と私がわかったときです
それまで付箋はそのままにしておいて、再提出を繰り返してください
それがずっとずっと残る、大切なQノートの作り方です
その他にも、Qノートを作るときの注意点はいくつかあります
たとえば、
図形やグラフの問題を解き直すときは必ず図形やグラフを自分の手で描く、ということ
地図に書きこんだり、( )の穴埋め問題などは、できるだけその中に書きこむ形で書いていく、など、
とにかく、あとで見て役に立つノートにしておく必要があるのです
だって、
このノートは、誰のためでもない、3年生になった自分のために作るのですから
3年生になった自分が、1年生の時の自分に「ありがとう」って思えるように、
一生懸命記録しておくのです
いままで、
自分で工夫したQノートをたくさん見てきました
小さい博士みたいな絵を描いて、
「君はここを間違っているぞ!気をつけて!」などと吹き出しを書いて、未来の自分への警告をしていた子もいました
とにかく普段から数学の問題集などを解いては、間違えた問題を全てQノートに収録し、「これ、私はこう解いたけどサトちゃんはどう解く?冊子の解説では理解できないの。」とメモ書きをする子もいました
全て、未来の自分が見るノートです
糸山先生は「自分のためだけの特別な参考書」と言っています
まさにその通りです
他にも勉強法はいっぱいあるのですが、
Qノートだけは、どの勉強法にも並行させるべき最も効率的な勉強法だと私は確信しています
1年生の今から、全部暗記しなくちゃ、とか、猛勉強しなきゃ、なんて自分を追い込む必要はありません
今とは別人級に大人になっているはずの3年生になったとき、
よし、そろそろ高校入試に向けて本気でやったろか!ってなったとき、
そのきっかけになる、その指針となる、
自分だけの弱点集みたいなのを、
解決してきた記録が残る武勇伝のようなものを、
1年生のうちからテストのたびにしっかり作っておく、それだけです
テストは、多い学校でも1年間に5回ほどしかありません
答案が返ってくると、「ああ、そうだった、間違えた」「ホントは覚えてたのに書き間違えた」などと、自分のミスを頭の中だけで精算してしまう傾向があります
でも、いつも言っているように、頭の中で考えたことは記録に残りません
ちゃんと記録しておかないと忘れてしまうんです
そして、また同じミスを繰り返します
そして、どこからどう受験勉強をしたらいいかわからない、という3年生のスタートになってしまいます
1年生の間に、できること、わかったかな
3年生になった自分のために、今、しておいてあげたいこと、見えてきたかな
それでは、作業を始めよう