今月、どんぐり学舎のオリジナル教材の一つ
「塗り漢字プリント」をリリースしました
これは、どんぐり倶楽部・糸山泰造先生の考案した、
一度も書かずに漢字を覚える方法 image-fix法、通称IF法を実践するための
補助教材です
IF法は、何にも教材や道具がなくても実践できます
これまでも、どんぐり理論をご家庭で実践なさってきた保護者の方々は、
ご家庭で工夫して、IF法を使ってきたと思います
私もそのひとりでした
初めてIF法を知ってから、私は、
私の教室の生徒たちのためにこの教材を手作りしました
もっと稚拙なものでしたが、友人の助けもあって、
とても立派な教材に仕上がってきました
十年以上、何百時間もかけて制作、改訂を続けてきました
特に小さな筆順の数字を入れるのが大変でした…
右利きの子は左に手本があるように、
左利ききの子には右に手本を見られるように、
作り分けました
これまで10年以上、教室の外へこの教材が出たことはありません
ところが
リリース後、すでに、この教材は小さな教室を飛び出し、
全国のたくさんの子どもたちの元へ飛んでいきました
なんて嬉しいことでしょう
どんぐり学舎の子どもたちだけでなく、
全国にこの教材を使う子どもたちがいて、
漢字を楽しく、きれいに塗って、そして、IF法を実践している
何回も書くのではなく、いやいや書くのでもなく、
丁寧に一度だけ書いて、脳に焼き付けるIF法
きっと、そのために活用してくださっている
送り出す私は、そう信じています
さて、では改めて、IF法の実践方法、そして、
この塗り漢字教材の効果的な使い方について、
説明を書いておこうと思います
最初の動画では、IF法をしています(早回しですが)
白抜きの漢字を一応、筆順通りに色分けして塗り終わると、
きれいで大きな手本の文字ができあがります
それをまず、じっと見ます
手を止めて、しっかりと見つめます
10秒くらい…
そして、目を閉じます
目を閉じて、頭の中で、さっき見つめていた漢字を書きます
ひとふで、ひとふで…書いてみましょう
頭の中で、ですよ
書けるかな…あれ?ここからどんなだっけ?
さあ、もう一度目を開けて、またじーっと見つめましょう
全体を見て、筆順を追い、自信のなかったあの部分を特にしっかりと…
それを3回くらい繰り返します
1回で書けるよ!って言われても、しっかり3回くらいは目を閉じ、目を開け、
もう、完璧に頭の中で書ける状態になったら、
いよいよ、本当の紙に、えんぴつで、書きます
隣に、1回だけ
手本の字は隠しましょう
折り曲げてしまってもいいし、ノートを置いてもいいです
手で覆うだけでもいいですよ
さあ、1回だけ、再現してみよう
それでおしまいです
もし、書けなかったら、もう一度だけよく見てみよう
ほんのちょっとならそこだけ直してもいいし、
きれいに消して、もう一度最初から書いてみてもいいです
でも、一度で書けるはず
書けるようになっていきます
さて、隣のマス目の部分には何を書くのでしょう?
基本的には何にも書かなくていいです
でももし、これを学校の宿題の漢字練習のアレンジとして
提出するために使うのならば、
1つだけ、この漢字を使った用例を書いてみてもいいかもしれません
そのときは、できるだけ面白い文を書くことをおすすめします
短い短い、物語でもいいし、短い短い手紙でもいい、
一発ギャグでも!ジョークでも!
ただ一文でいいんです
びっしり埋めなくていいんです
間違っても埋めるまで何か書かせようとしないでください
せっかく覚えたんだから、忘れないうちに練習した方が…なんて
本末転倒ですから、やめましょうね
そして、
「もっと塗りたい!!もっとやりたい!!」と言われたら……
「また明日!」でおしまいです
えーーーー!!もっと塗りたいのにぃ!というところでやめておきましょう
一度にたくさんすると、効果が薄れます
これが、塗り漢字の効果的な使い方です
どうしても大人は、
何度も繰り返し練習した方が効果的だ、と思いがちです
学校の先生もそう思っている方が多いようです
でも、糸山先生もおっしゃっていますが、
漢字を覚えること、何かを覚えることで思考力は育ちません
IF法は、どんぐり問題で思考力を養成するときに、
漢字練習などで脳を疲弊させないために開発されたのではないか、と
勝手に私は思っています
漢字を覚えることで思考力は育ちませんが、
健全な思考力が育っていると、漢字を覚えるのは苦ではないようです
実際、私の教室には漢字練習を小学校時代に一切せずに
中学生になった子が何人もいますが、
漢字が苦手な子はあまりいません
むしろ、6年間完全にそこを制限できていた数人は、逆に漢字の知識が豊富で、
そもそも言語能力にも長けていて、辞書を引くのも、文章を読むのも得意です
もちろん、6年間(または7年間)のどんぐり問題と、環境設定は基本です
それどころか、真面目に一生懸命小学校時代に
漢字練習の宿題をこなし続けていたはずなのに、
漢字が苦手な子、英単語が覚えられない子がいます
とても苦しそうです
できれば、そんな苦しみは味わわせたくありませんよね
苦しくても、なんとか自分の特徴をつかんで努力していく、
それは中学生になってからのこと
その話はまた別の機会に
さて、もし塗り漢字教材のプリントが手元に用意できたら、
A4用紙に4つずつ収まった漢字をまずはカットして、ばらばらにします!
こんな風に!!※注※1年生用だけは、A4を半分にカットして使います
きゃあああ!!なんてことでしょう!!
早く片付けてちょうだい!!
…まあまあ、そう慌てずに
そう、塗り漢字プリントは最初、「音読みの五十音順」に
並んで作ってあるので、教科書順ではありません
だから、まず最初に、教科書順に並べ替えることをおすすめします
私はこれを、「漢字カルタ大会」と呼んで推奨しています(笑)
国語の教科書の巻末の「新出漢字」のところを開き、
教科書に出てくる順番に塗り漢字を並べていくのです
一番多い4年生で202字ありますからね
ちょうどいいですね、この休校中!
時間がかかります!
楽しいです!
家族やきょうだいで協力してね
まだ習っていない漢字ですから、教科書を見て、
ビジュアルで探していくわけです
でもまあ、生まれて初めて見る漢字もあれば、
知ってる~って字もあるでしょうね
もしかしたら、まだ手元に「上」の教科書しか
届いていないかもしれませんね
そうしたら、カルタで並べ替えた残りは「下」の教科書のものですから、
別の束にしてまた「下」の教科書が届いたら、
カルタ大会をすることにしましょう
そんなわけで、教科書順に並んだら、
上から塗っていけばいいのです
お兄ちゃんがどんぐりを解いている前で…
ここまでの写真はどんぐり学舎のこどもたちのおうち塗り漢字の様子
ご協力ありがとう!!
それから…
なるほど!漢字が浮き出ている!!
美しく、
楽しんで塗っているらしい写真も全国各地から届きました
とってもきれいでしょう
塗ったら、ノートに貼ったり…
フォトアルバムに入れたり…
こんな風に保管していきます
ね、
きれいだな~って見ることで実は思い出すことにもなるし(内緒)
面白い用例を書いておけば「見て見てこの文~!」って
やっぱり思い出すことにもなるし(内緒)
そんな大人の目論見は、内緒!!
それが忘却曲線を意識した目論見だなんて、内緒内緒!!
ついでに言うと、
誰かが面白い例文をあらかじめ作ってくれてるドリルもあるけど、
自分で考えて書いた文ほど印象に残り、
読み返したくなり、面白いものはないのです(笑)
とにかく、楽しんで
楽しい思い出だけを、添えてください
決して、苦しい思い出にしないで
漢字練習のせいで漢字が嫌いになってしまう子が多いです
私は、漢字が大好きで、
辞書が大好きな子どもでした
漢字練習は好きではなかったけど、
(だからにんべんだけ先に書いて点だけ先に全部書いて…っていう、
流れ作業のような漢字宿題をして適当に流していました。
漢字練習によって漢字の力がついたと思ったことは一度もありません)
漢字そのものが好きだったので、
やたらと辞書で調べてなんでも漢字で書いてみたりしていました
好きでいることを維持できたら
何をするにも、そのことを忘れないようにしたいですね
塗り漢字教材について詳しくは、
ホームページの「どんぐり学舎オリジナル教材」のページをご覧になってください
ほかにも山ほどあるオリジナル教材、
世に出せる状態のものは他にはまだないので、
これから時間のあるときに少しずつ、少しずつ、整えていこうと思っています