びっくりさせちゃったでしょうか
どんぐり倶楽部の環境設定に私が違和感を抱いているのかと誤解させるようなタイトルかもしれません

どんぐり倶楽部環境設定とは…こちら

外遊び、メディア制限、宿題制限、習い事制限など、
大人が理解できる端的な言葉で説明されているので、
「禁止事項」と捉えられることがとても多く、私はそのことに違和感を覚えます

どんぐりとは関係なく、
「どうしたら子どもの学力が上がるの?」
「どうしたら集中力のある子になるの?」
「どうしたら落ち着きのある子に育つの?」
などという教育相談に、いろいろな専門家っぽい方々が答えているのを見ても、
最近では、
スマホやゲームに没頭している子の正し方、導き方など、
私の考えと近い方もいて、ああ、このようなアプローチでもいいからこの情報に触れてくれないかな?と思ったりもしています

スマホや、ゲームが悪いのではなく、
スマホや、ゲームをやっているから学力が低いのではなく、
スマホや、ゲームをやめたら学力が上がるのでもない

そういう意見です

そうそう、私もそれが言いたいの
どんぐり倶楽部の環境設定はこれから書くことの子どもの特徴を知るため、
親子関係を知るための指針にすぎないの

そう、ずっと思って、伝え続けてきたつもりです
これから書くこと
それは……

なんでそれに没頭するの?
それが何より大切なことなの?
そういう暮らしでいいの?
そういう親子関係で、いいの?

ということです

たとえばスマホや動画、テレビやゲーム
それが楽しくて好きなのが悪いのではなく、
それよりも楽しくて好きなことがないのが問題なのでは

たとえば習い事
スポーツだとしたら、そのスポーツが何より大事な優先事項で、
そのスポーツで評価されることがその子の基準、親子の基準になっていることが、
問題なのでは
芸術でも同じ
勉強でも同じです
できる、できないが評価基準になり、
まるでその子の価値のようになっていたらそれが問題なのでは

習い事で「教わること」「指示されること」が、
体を動かすこと、表現することの「基本」だと勘違いし、
自分で考えて動くことや、表現することができなくなっているのが、問題なのでは

子どもが人間に育つために、それは一番大事なことですか?ということです

環境設定で示されている様々な事柄は、
そのこと自体が子どもの発達、思考力養成の妨げになることは確かにあるのですが、
それを「禁止する」という親の行動、考え方に私は違和感を覚えるのです

禁止しなければならないほどの状況に、
そもそもなっているのが問題だと思うのです
禁止しなければならない状態に、導いたのは誰ですか?
ということです
だから、見直すときには子どもに命じたり禁じたりするまえに、
自らを省みる必要があるのでは、と

なぜ子どもは、スマホやゲームや動画に夢中になっているのか
なぜ子どもは、自分で考えて行動したり、自分で暇な時間を楽しんだりできないのか
すでにそうなってしまっている場合に、
環境設定の項目を見直してみて、と糸山先生は明記しているんだと思うんです

確かに既に没頭してしまっている場合には、
薬物やアルコールのようにゲームやネットも、依存症と命名されていることもあるので、
やはり対処はそれと同じで、完全に断絶する、ということが必要になることもあります
糸山先生も、その際の禁断症状などについて話を聞いたこともあります
それを乗り越えて初めて、リセットされるのです、と

産まれて数年の子どもが、
(私から見れば)テレビや動画やゲーム画面よりずっと奥が深く多様で変化に富んだこの外界(自然)の刺激よりも、それらのちいさな画面を好むこと自体が、
大きな問題だと思います
なぜ、それに気づかせる前に、楽しめる感覚が育つ前に、そうじゃないものを浴びせてしまったんだろう、と

今朝、たまたま目に入った誰かが話している短い動画で、
自分の子育てでスタートで失敗してしまった人が、その後、コーチングなどを勉強してカウンセリングなどをしている、と話しているものがありました
その人は、「子育てでこれはやってはいけない」と何項目もあげていましたが、
最後に、
「自分がそれまでしてきてしまったことはすぐにはリセットできない、ということを知っておいて」
と言っていました

すぐに諦めてしまう人がいるなあ…と感じることは時々ありました
私のビジョンでは、幼少期に何をさせてしまったかにもよりますけど、
最低でも3年くらいはリセット期間を設けないと…と思うのですが、(10年かかった子もいるし、親御さんが変わらなければいつまでもリセットできない例もあります)
どんぐりを始めて(環境設定を見直して)3ヶ月くらいで、
「子どもが全然変わらないんですけど」と言ってくる人もいてびっくりすることもあります
もちろん、3ヶ月くらいで激変する子もいるので、
それはそれぞれ違うのですが

習い事は自分の小遣いででも通いたいもの1つまで、という設定も、
習い事に通わないとできるようにならない、というのが誤解だということを、
大人に確認してもらうためのひとつの項目なんだと思います
習い事でも別の意味で子育てに効果的に影響する場合もあります
でも、多くの習い事のように、達成感や、優越感、それに、指示通りできることを目標にする習い事は、少なくとも4年生まではあまり推奨できません
でもこれも、
テレビやゲームや動画と同じで、
それは生活の中のひとつに過ぎず、その存在感がどうなっているか、ということを忘れなければ大丈夫なのです
習い事で忙しいから、と、生活が整わないこともあるようです
スポーツや勉強で忙しいから、自分の身の回りのこともちゃんとできない、だから親が代わりにやってあげる…
なにかひとつのことが「できてさえいればいい」というのが、大きな勘違いで、習い事の多くが、そういう勘違いを招きかねない、ということだからです

そんなわけで、
子どもの没頭ポイントを探るために、環境設定という項目があるのだと私は思います
そもそも子どもの生活になくてもいいものだから
もともとない家庭では、禁止する必要などないのですから

それにしても、やはり糸山先生のこの環境設定を読むと、
やはり、
教わること、指示されること > 自分で考えること
という式が子どもの脳内にできるのを防ぐためにどうしたらいいのかがよくわかります

ゲームだって、動画を見るのだって、子どもは頭を使ってる、というひとがいますが、
子どもが自分の頭を揺さぶらないと解けない問題を毎日目の前で解いているのを見ている私は、
ゲームや動画で使う頭脳などたかが知れてる、と思うのです
さらに、現代の生活ではなにもかもがオートになってますます思考力は不要になっています
子どもの思考力が自然に育つにはどうしたらいいのか、少し考えれば何をすべきでないか簡単にわかります

時代錯誤も甚だしい、とよく指摘されるどんぐり倶楽部の環境設定ですが、
どんぐり関係者じゃなくても、子どもの発達や脳の成長に詳しい専門家や研究者たちはみな、異口同音に似たようなことを言っています
糸山先生がここまで明言しているだけで、
他の専門家も研究者も同じ警鐘を鳴らしているのです

せめてどんぐりを実践している皆さんには、
これは禁止事項ではなく、
親が我が子との関係を確認し、
生活の中で何を大切にするのか確認するためのチェックリストなのだ、ということを
どうかわかっていてほしいです