教室の前のクヌギの木を
毎日見上げています
今年はまだカブト虫が飛んできません
飛んできてくれるかな…
この子の作品を添削してからまた、私は木を見に行きました

話は変わりますが…
先日、
どんぐり学舎オリジナル教材・塗り漢字を使用してくださっているお父さんから連絡がありました

お子さんの宿題に関する内容でした
そのお父さんと担任の先生とのやりとりが、
あまりに清々しく、素敵だったので、私は手記を紹介したいとお願いしました
承諾をいただいたので以下に紹介させてください


息子は、現在四年生。

昨年は、担任にどんぐりの事を紹介すると宿題にどんぐり問題を出してくれたり、漢字の宿題をすぐに変えてくれたりとすごく柔軟に対応して頂いていました。

四年生になり担任が変わり、漢字の宿題は、漢字ドリル用の教材ノートを見開き1~2ページ書くという物になりました。息子は、書く速さがゆっくりなので、2時間ぐらいかかっていました。

負担になっていたので、漢字を5個ずつノートに書いたら、残りは私が代わりに書いていました。

すると、先日、仕事中に息子から電話があり、

「お父さん、もう漢字の宿題は、やらないで!自分でやるから!」と泣き声で伝えてきました。

家に帰ってから、息子と話すと、漢字を自分で書いてないのがバレて先生に怒られたそうです。

すぐに担任に電話して事情を説明しました。

 

「漢字の宿題にすごく時間がかかって負担になっているから、私が手伝っていました。他の子どもは、30分ぐらいで終わるかもしれないけど、書くのがゆっくりな息子は2時間ぐらいかかる。」

担任は、最初「お父さんの宿題を見るために先生をしてるんじゃないです!」と、ムッとしてました…

「先生、子どもたちは、一人一人習熟度が違うのに、みんなに同じ宿題をさせてたら、すごく苦痛で、負担が大きい子もいるんですよ。息子には勉強を嫌いになって欲しくないから、私が宿題を手伝っていました。家庭学習の責任は、家庭で責任を持って見ます。何があっても先生の責任を問う事は一切しませんので、ノートに漢字を何回も書くような学習ではなくて、違う物を提出させてもらいますね!」と伝えました。

「お父さん、素晴らしいですね。家庭で全部責任を持つなんて、、、そんな事言ってくれる親、初めてです。子どもが学校の外で何か問題起こしたら、すぐに先生が呼ばれて、何でもかんでも全部先生に責任を押し付けられてて、それは違うんじゃないかってずっと思ってたんです。宿題の件はお父さんにお任せするのでお願いします。」と仰っていました。

年齢も近いので意気投合して、それから1時間以上お話ししていました😀

担任が、泉先生の塗り漢字を見て、何か気付いてくれたら嬉しいです!


素敵でしょう
お子さんの気持ちになってみると…ほっとするでしょう
そして、
担任の先生の気持ちになってみても、ほっとするでしょう
先生にムッとされても、毅然と家庭の方針を告げ、最終的には先生をきっとほっとさせたことでしょう
少なくとも、「何でもかんでも責任を押しつける親」ではないことを理解してくれて、このご家庭と先生との関係はこの後もきっと、スムースにいくことでしょう
意気投合してその後もたくさんお話できたなんて…
羨ましいですね!清々しい関係ですね!

先生たちも一生懸命で、時には、どうしようもなく困惑することもあると思います
宿題を出すことは当たり前だし、それを守らせることも仕事のうち
だから、毎日必死かもしれません
それを理解している親御さんの中には、子どもにそのことを言い聞かせ、
先生の言いつけは守りなさい、先生があなたのためを思って出している宿題ですよ、
先生が出した宿題は必ず全部しっかりと守らなくてはダメ、としっかりと実践させます
それが、その時の子どもにとって、本当に必要なものかどうかなど、後回しで………

そう、実際には「あなたのためを思って」出されている宿題ではないのに、です

先生はひとりひとりにカスタマイズして宿題を出すことなどできないし、しようとする先生もほとんどいません
アレンジ可能、という出し方をすることはできます
長女の担任の先生でひとりだけ、いらっしゃいました
我が家にだけではなく、最初から、全員に対してアレンジ可能な宿題を出していたのです
私が出会ったのべ12人の小学校の(我が子の)担任の先生の中で、唯一無二の素晴らしい先生でした

そのような先生に出会える可能性は少ないので、それよりも手っ取り早いのは、
親が家庭学習の責任者になることです

この手記を送ってくれたお父さんは、
「子どもを勉強嫌いにさせたくない」と先生と交渉し、アレンジすることを宣言しています
しかも、責任は家庭で持ちます、としっかりと伝えて、先生の不安も取り除いています

子どもの思考力を守るための環境設定のひとつ、宿題アレンジについて大切なことは、
こういうことなのです

まずは親と子でしっかりと話すこと
なんのためにそんな風にするのか
なんのために先生にそう伝えるのか
どんなに小さくても、1年生でも、しっかりと伝えます
もちろん、それまでだって子どもとしっかりと話してきているかどうかが重要で、
小学生になったから急に親の話が聞ける子に変身するわけではありません
「小1プロブレム」が問題視され始めてきていますが、
問題は学校ばかりにあるわけではありません

ただただ、世の中の流れにどんぶらこと乗って流れ流れて、
あれよあれよと1年生
なんとなく宿題をやらせたり、
なんとなく教材をやらせたり、
なんとなく塾に入れたり、
なんとなくどんぐりをやらせたり…
肝心の、子どもの心と体の成長について、実はよくわかっていない親御さんもとても多いです

毎日一緒にいるのに
毎日一緒に暮らしているのに
毎日たくさん話せるのに
毎日たくさん………

先生より、誰より、一緒にいる人が、
子どもにとって最も影響力のある人です
その人がどんな人か、ってことは、
子どもにとってすごく重要なんです

この手記を寄せてくれたお父さんと息子さんの関係を、
私は詳しくは知らないけれど、
でも、見えないオーラでしっかりと包み込まれているような
信頼関係でしっかりと結ばれているような
そんな空気感が伝わってきました

それより大事なことってあるでしょうか
それがなくて、それ以外のことがたとえ順調だとしても、
私には不安しか見えません

目の前の子どもを見て

この先どうなるか不安がらないで

この先のために準備しすぎないで

今、その子はどこを見てるのか
今、その子はどこへ行こうとしてるのか
今、何を感じて、何を思うのか

それがわかるのは、毎日一緒に暮らしている親御さん以外にいません