いまDK(どんぐり学舎中学部)に来ている中学生の何人かがときどき、
「かきぞめが楽しかった~」「かきぞめまたやりたい」とよく言っていました
むかーしむかし、かきぞめをした時は、大きなカレンダーの裏紙に描いて、できあがった作品をじゃんけんで取り合って、ゲットした子がお家に飾ってくれていた、なんてかわいいエピソードもありました
うーん
そういや最近やってない
よし、2022年新年初回はかきぞめ大会にしよう!

生徒たちは教室に来ると「今日なにやるん?」「今日絵本?ゲーム?」と聞いてきます
「今日はかきぞめですっ」
というと、
えーーー!!なんで!?学校でやったよ!なんでかきぞめ?
…どうやらお習字の時間の書き初めをやはり思い出しているようで
なんならかきぞめって漢字でこう書くんよ、ってホワイトボードに書いてみせる
そう、一年の最初にかくから「かき初め」
そして、どんぐり学舎の「かきぞめ」は、みんなで順番こにどんぐり問題を解くのです

「なにエムエックス!?」「むずかしいやつ!?」みんな不安そう
「あーー!!なんか、ずっと前にやったよねえ!?」と思い出す高学年

問題はこれ!じゃじゃーん!
番号はDGS-04!!
(なんのこっちゃ? DGS=どんぐりがくしゃ つまり、パフォーマンス用のオリジナル問題なのです)

おにのこの おにろうは、 つよくなりたくて、まいにち とれーにんぐをしています。
きょうは りゅうじんいけのまわりを はしります。 おにのおとうさんから、 はやくはしるためには、 うでをしっかり ふるように、と おそわりました。 おにろうは、 はしるまえに、 うでをふるれんしゅうを することにしました。 3かいうでをふると、 からだがあつくなって、 あせが2つぶでてきました。 では、9かいうでをふると、 あせはなんつぶ でるでしょうか。

火曜日から金曜日まで、クラスの人数や学年によって問題文を切る場所を変えながら、今週はみんなで最初にこの問題を協力して描いて解きました


「腕を振るってどう描けばいいんだろう」
「(腕を振って見せながら)こうやって描けばいいんじゃない?」
「え、ちょっとそのまま止まってて、それ描くから」

普段はひとりで考えて解くどんぐり問題
このかきぞめの時間だけは、相談していいことになっています

手が止まってしまっている小さな子に、優しく声をかける高学年の子もいました
ヒントや、描き方を教えるのではなく、提案するように、その子の思考を狭めないようにことばを選んでいる様子に感動しました

日頃、教室のあと一緒に真っ暗になるまで遊んでいるチームは最後に絵がひとつにまとまりました
それぞれが描いた絵を使って次の絵を描いていく、加筆方式で解いていました

まだ慣れない子がいるクラスや、比較的個人主義かな、っていう子が多いクラスの作品は、おにろうが何人も並んでいるユニークな作品ができました
それぞれの絵を参考にはしているけれど、加筆はしない、という感じでした

ひとりひとり、自分だけの番が回ってくるのは、ちょっと緊張して困ってしまったかもしれません
どんぐりはお隣さんのノートなども見ないし、自分のも見せないから、こうやって見られるのとか、そういうの苦手なんだよね、って避けたい子がいるのもわかります
でも、やってみれば全員が、それぞれ自分にできることをちゃんとやり遂げました
それぞれの作品にちゃんと自分の存在感を残しましたよ

私の顔をちらちら確認しながらも、
生き生きと、ふざけながら、でも、真剣に描いている子どもたちを見ていたら、
やっぱり、大人は子どものこういう姿をもっと大切に思うべきだ、と感じました
ここへ大人が入り込んでいって、「はい、こうしなさい、こう描きなさい」なんて指示したら、
子どもたちの心も、動こうとする体も、作品そのものも、台無しになってしまうだろうな、と感じました
先週解いて、今週は掲示しています
「ぼくがここを描いたんだよ!」早速火曜日メンバーのひとりが誇らしげに指さして教えてくれました

どの子もみんな、
素晴らしい

優しい空気の中、子どもたちはみんな、どんどん優しくなっていく

だからどうか、
お家の方も、学校の先生も、
子どもたちが安心して優しい子でいられるよう、
見守ってください
どうかよろしくお願いします