近所の利根川の川原で

お友だちの家でデジタルゲームをしているみたいなんです…

うちに友達を呼んで、ワイワイ遊ばせたいのだけれど、
ゲームより楽しい遊びって何でしょうか…

という、お悩み相談に返信した私のメールです
(原文に、つけ足したり削ったりしてあります)

お友だちの家でゲームですか…
どんぐりっこ「あるある」お悩みですね
男子は特に、みんなで集まってゲーム、っていうのがなんだか一般的みたいですね

*最近では放課後に約束して、各自、家からオンラインでゲームに入り、ゲーム内で待ち合わせをするようなこともあるようです

女子はおしゃべりとか、ごっこあそびとか、わりと、ゲームに向かうっていうのに最初は走らないんですけど、もう少しすると女子もスマホやタブレットでSNS遊びとか始めて問題になったりし始めるかもしれません
 
うちの教室の生徒にも、友達の家でゲームをする、っていう男子が結構います
親御さんには止められないみたいです
 
ただ、
親御さんは子どもにはしっかりと伝えていて、
小学生ながらにそれを信じて意志を固めている子は、
「せっかくだから外で遊ぼう」とか「ゲームするなら帰るね」などと言えたりしています

じゃあ、親が無理矢理、そのように言うよう子どもに躾けたとしても、
本当はゲームがしたいんだけどなあ…と嫌な気持ちにさせるのでは親子関係にも影響します

あと、最近ではお父さんがゲーム好き、またはゲームで育ったって人が増えていて、子どもがゲームに夢中になることを否定しない、むしろ、子どもの肩を持つ、というパターンが多く、多くのお母さんを悩ませています
やはり、お母さんは、子どもの頃ゲームで友情を育んだ経験がない方が多いってことだと思います
 
対処の仕方は子どもの特性と、親子関係にもよるのですが、たとえ自宅ではなく友達の家だけだとしても、ゲームをする時間が長かったり、頻繁だったり、また、脳内のキャパがまだ小さくて、頭の中がゲームのことでいっぱいになってしまって話題もそればかり、というような状態になると、どんぐりは解けなくなるし、教科書やノートで勉強するのも苦痛になると思います
もちろん、ほとんど影響を受けない子も中にはいるのですが、私の経験ではそういう子は希です

ただ、あまり友達の家でのゲームについて注意すると、今度は隠れてするようになるので、友達の家でゲームを楽しんできたならば、そのゲームについて楽しく会話する方がいいかもしれません
どんなゲームだったのか説明してもらったり、教えてもらったり
それはあくまでも「家ではしない、特殊な体験」として受けとめるのもひとつかと
 
我が家の場合は糸山泰造の弟子として自分の子育てを勝手にどんぐり実験的にしていましたので(笑)たとえ友達の家ででもゲームはしない、という約束になっていました

幸い女子だったのでゲームよりごっこ遊びなどに夢中になっていましたが、時には我が家に携帯型ゲーム機を持って来る子もいました
しかも、持ってきて、自分だけでゲームをしているのです
珍しくて、興味があるうちの娘は、友達のゲームの画面を覗き込んでいましたが、それだけでは退屈で、結局「ゲームがあると一緒に遊べない」という認識をしたようでした

だから、
私は庭を開放し、庭に子どもが遊ぶための小屋や、砂場や、小山を作り、部屋の中にもたくさんの画材や、布きれなどをいつも用意していました
小学生時代は市販のアナログゲームなどは出さず、何にもないところから自由に遊ぶ、ということができるか試していました

私の子どもだけなら年中そんな感じで、人工的な遊び場にもほとんど行かず、休みの日は山や川や海に行っていますし、家の中にもそんなものしかないので、自由に創作して遊ぶのですが、お友だちが来た時はどうかな?ってわくわくしながらそっと観察してました
 
結果、
「ちぃちゃんちは魔法の家だ」と(ちぃちゃんとは長女のこと)いって、お友だちが年がら年中集まる家になりました
自分たちで布や紙を自由に使っていろんなことをして遊んでいましたよ
お絵かきをしたり、ごっこ遊びをしたり、お化け屋敷を作って妹たちを驚かせたり

家ではゲームをしている子たちでしたが、「ちぃちゃんはゲームを持っていないんだから、ゲーム機を持って行くのはやめよう」とお友だち同士で約束してからうちに来ていたようでした

次女の同級生たちも、うちに来る時はスマホもゲームも持ってこないで、その子が別の友達と遊ぶ時には持って行っている、と言っていました
友達自らがそう判断してくれていたようです
 
塾生の中には、「ゲームを持っていないなら遊んでやらない」と仲間はずれにされたりしていた子もいました
父親は、買ってあげよう、と言ったようですが、その家は買わなかったんです
でも、別の家は買いました(その子は塾生ではありません)
すると、最初は一緒に楽しくゲームをしていたのですが、今度は「このゲームを持っていないなら遊ばない」と別の仲間はずれが始まり、そのゲームを買って仲間に戻ろうとしたら「このレベルまで来てないやつはダメだ」と言われ、一晩中ゲームをしてそのレベルに追いつこうとして、睡眠不足になり、不登校になってしまいました
 
*他にも、あまりにもゲームをやりすぎるので2階から投げて壊した、という親御さん、スマホを川に投げた、という子ども、ゲームで育んだはずの「友情」が途中でねじ曲がり、中学生になって壮大ないじめの犠牲者になった子どもなど、語り尽くせない悲劇がまだまだあるのですが、逆に、「持っていなかった子の末路」には明るい話題が多いのも特徴です
そして…ゲームもスマホも大人が「買い与えた」のが始まりだってことを、絶対に忘れてはならないんです

長年この問題を見てきてわかることは、「親の意志がぶれないこと」がとても大事だということです
「よそはよそ、うちはうち。」ときっぱりと言えて、子どもが自分の家を幸せな場所だと確信していれば、よその家の状態を羨ましく思うことはないんです

でも、「本当は買ってあげたいんだけどな…」とか「こんな我慢させるくらいなら買ってあげた方が楽なのにな…」などとブレてしまうと、それが子どもにも伝わるのではないかと思っています
そして何より、ご両親がそこについては一致した意見をもっていることも重要です

*みんなが持っているのだから持たせるべきだ(ゲーム)、みんなが見ているのだから見せるべきだ(テレビ)、と「お母さん」に言ってくる「お父さん」「祖父母さん」がとても多いです
なぜそこまで認識が違うのか?それは、一般的には、子どもに関わる時間が長い「お母さん」が直感していることが影響しているのではないかと私は考えます
子どもは、「お母さん」には身も心も委ね、素を出しています
子どもの身体や心に直接触れる時間の長い「お母さん」には、直感として「その解決法は違うのでは…」とわかってしまうのではないか、とたくさんの親御さんたちを見てきて思います
もちろん、その感覚において「お父さん」「祖父母さん」と「お母さん」が逆転している家庭もあるし、「お父さん」や「祖父母さん」が「お母さん」と同じような感覚を持っている家庭もあります
いずれにせよ、「みんなが…」という言葉の裏付けに私が納得できたことはほぼありません
子どもには特性があり、中には多少のことで動じない強靱な脳を持っている子もいますが、それにはそれなりの背景があるし、多くの子には少なからず悪影響が出るのを知っているからです
私を含め多くの「専門家」が指摘し、警鐘を鳴らしてもまだ、「みんなが…」という親御さんは、いったい何を根拠にそう言い続けるのか、そう思い続けるのか…それでも、中学生になっていざ、学力に数値をつけられたとき、絶対に子どもを責めない、絶対に高望みはしない、子どもに任せる、子どものありのままを喜ぶ、と言ってくれたらいいのですが、ほとんどの親御さんがそうはいかないのも現実なんです

脳が成長する時期に子どもの環境を守ってあげなかったのに、脳を使いこなさなければならない時期に思うように脳が働かないことを、子どものせいにするということです
そんな理不尽なことってありますか?


家で遊ぶヒントは、低学年ならいろんな材料が揃っていれば自由に創作して遊ぶと思います
アナログゲームも楽しいのですが、プログラムやルールに乗って遊ぶ、という意味ではデジタルゲームと似ている部分もあり、何回もしていると飽きて、次から次へと求めるようになります
教室にもたくさんのアナログゲームがありますが、何回も同じのをやろうとすると「やったことあるからやらない」とか「家にあるからやらない」と拒否する子がここ数年増えてきたのも気になります
余談ですが、最近じゃカラオケも同じ歌は歌えないとか…JKに聞きました…
 
プログラムやルールに乗って遊ぶ、というのは、楽で楽しいのですが、実際には脳の奥底まで楽しんでいないんです
ルールをなぞる楽しみだけで、自分の思考力はそれほど使いません
使っているように錯覚するようですが…それでいて、脳は疲れるので、エネルギーは浪費されます
だから、
やり過ぎると支障が出るんだと思います
いちから自分で考えて遊びを創作する、ということとはまるで違う遊びなんです
 
私は、ワイワイ遊ばせるなら外で遊ばせるのが一番いいと思います
外で思い切り、鬼ごっこやかくれんぼや…体を動かして遊ぶのが一番だと思います
 
子どもだけで心配なら引率して、公園やら広場に行って、「見えないところまで行かないこと」とでも約束して、ベンチで座って監督していればいいんじゃないかな
ボールや、大縄や、段ボールなど、外で遊ぶためのグッズを持っていてあげてもいいかもしれません
 
子どもは本当は、そういう自由で気ままな遊びの方がゲームなんかよりずっと楽しめるんです
楽しみ方を知らないと、「何をしたらいいかわからない」と退屈がるかもしれません
それは「思考停止」状態で、子どもとしてはかなり心配な状態なのです

ぜひぜひ、子どもたちの生き生きとした自由な遊びを、「魔法みたいだ」って言われるくらい、さりげなく提案してみてください