3MX60
5秒で10m進むぴょんと、
6秒で10m進むびょんが、
それぞれ3km、4km先の学校へ向かうものがたり(どんぐり問題)
どんぐり卒業間近の6年生、
急に技を繰り出してきました
それは、
ある程度数値からゴールが見えてきたら、その数値を数倍してゴールに近づける、という小技

お見事です

誰も、何もアドバイスしていません
こうすればいい、こうしなさい、なんて誰も言ってないんです
数式の書き方は数学的とは言えません
でも、計算の答えをそのまま次の式に使いたくなる気持ち、よく覚えています
その後、等式とはなんぞや、というのを中学校で学んで、
数式とはこう書かねばならぬのか、とはっとさせられたこともよく覚えています
使っているうちに、なんか違うかも、って指摘を受け、はっとして正していく
最初から禁止されたり命じられたりしながら恐る恐る学ぶよりずっと、
私には意欲を削がないいい方法だと思えます

改めて、子どもの進化に感動した作品でした

さて、昨年の春からゴルフのレッスンを受けています
道具を新調したり、コースに出たりする余裕はまだないので、
道具は親族からかき集めて先生に「これならまあ使える…」と許して頂いた古いもの数本
もっぱら練習場で基礎の練習をするのが今、一番楽しい状態で、コースに出てホントのゴルフをしてみたい、ってまだ思えない状態です

レッスンを受けながら、自主練習もしているのですが、
要するに、思った方向へ思った距離だけ飛ばすことができればいいのがゴルフ、
でも、私としては(元スキーヤーでもあるので)どうせなら美しいフォームでプレイしたい
(自己流ではどこでも滑れたとしてもあまりかっこよく見えないのがスキーで、きっとゴルフもそうだろうって思い込んでいます)
だから、毎回、自分のフォームを動画に撮って、家に帰って確認したりしながらこれまで練習を続けてきました
もちろん「思った方向へ」「思った距離だけ」飛ばす、なんて、いつもうまくいくわけはなくて、特に、最近教えてもらい始めた「ドライバー」というクラブ(頭が大きくて、一番長いクラブです)なんて、振り回すだけでやっとで、ボールにまっすぐ当てることすらままなりません
最初、よくわからなくて思い切り振ったら、変なところに当たってボールがとんでもない方向に飛んでしまってから恐怖心が払拭できない、というのもあります
だから、基本のき、から先生に教えてもらうことにしました

先生は最初から丁寧に教えてくださるのですが、
ゴルフの専門学校でもこれからプロを目指す若者でもない短期の大人のレッスンですから、
毎回、実に的確な助言をくださるのです
まずは自分が思うように振ってみて、と言われる
それを見て、次はこうしてみて、この動きができるようにちょっと練習を続けてみて
そんな風に、「なぜなんだろう?」と素人は思うような動きを、しばらく練習するよう言われて、そうしていると、次の段階に進みます
そうすると、その前にはできなかったことができてしまう!
また、
何回打っても同じ方向へ(変な方向へ)行ってしまうのを見て、先生は、「ここをこうするような気持ちで振ってみて」とおっしゃる
言われた通りしてみると、あっという間に軌道が修正されるのです
でも、私へのアドバイスとは正反対のアドバイスをされている人もいます
時々、他の方への助言(複数人で受講しているので)が聞こえてくるので、わかるのです

レッスンから帰ると私は夫に、いかに、先生の助言が素晴らしいか、いかにレッスン生それぞれの特徴をとらえ、それぞれに的確なアドバイスをしてくださるか、延々と語ってしまうのですが、夫は言うのです
「それがレッスンプロだから」

ああ、そうなのか、そうなのだ、これが「教え、導く」ということなのだ…
天を仰ぎ、先生のいらっしゃる方向に祈りを捧げようかと思いながらふと思い出したのです
私もそういう仕事をしてる…

私は生徒たちを見ていて、
特に、中学生には、
「もっとこうすればいい」「こうするとこうなる」というような、私にはわかっている彼らの特徴をつかんだアドバイスを、することができます
私のゴルフの先生と同じように、全員に同じ助言をするのではなく、ひとりひとりの特徴を知った上で、助言することができます

でも、私のゴルフと違うのは、
彼らが助言を求めているかどうか
彼らが助言を素直に受け入れて、改善しようと本気で思うかどうか、です
私は、もっと上手くなりたい、もっと綺麗にできるようになりたい、という目標があるから、先生に言われたことを全て覚えておきたい、という勢いで耳を傾け、一生懸命自主練習もしています

でも、まず、特に勉強面で伸び悩んでいる子や、思うように勉強に集中できない子に限って、私に助言をしてほしい、私に言われたことを実行に移してみたい、という意欲的な目をしていません(笑)

おそらく、成績が思わしくないと、学校の先生や他、色んな人に色んなことを言われすぎて、聞く耳も持てなくなっているのでしょう

私は混沌とした状態から脱出させてあげたいし、成績どうこうじゃなくて、学ぶ楽しさや、昨日できなかったことが今日できるようになる、という喜びを少しでも味わわせたくて助言しようとしますが、聞く耳を持たない子や、言われたことを素直に実践してみようと思わない子には、何を言っても他の人と同じような小言や嫌みや説教にしか聞こえないんだと思います
また、心から、「そんなのどうだっていい」と思ってしまっている可能性もあります
それから、親御さんがせき立てるでもなく、しっかり向き合って話を聞いたり、言葉をかけたりしても、「今ががんばりどきではない」と子どもが無意識に蓋をしている可能性もはあります
それでも、私はもしそうなら待つしかないと思っています
中学生時代の机上の勉強で、いくら「いい成績」をとったって、
それが人生の何かを左右するわけではありません
その逆も然りです
だから、成績でその子を評価したり判定したりする必要は全くありません
がんばりどきは自分で決める、って思っている子に何を言っても動じません
何か言ったり仕掛けたりしたら、親子関係も私との関係も、あまりよからぬものになるでしょう

でも、
「今が頑張りどきかも」って気づいた子から脱していくのも事実です

以前、最下位グループから上位グループまで1年で登りつめた生徒がいました
私がスパルタで何かをさせたとか、
親御さんがビシバシやったとか言ったとかではありません
ただ、その子自身が私に、「どうしたら点数が取れる?」って真剣に聞いてきたんです
点数を取れるようになる方法なら100通り知ってます
そのうちの一つを、その子にアドバイスしました
本当にそれができるなら、絶対に変わるから
1ヶ月やそこらじゃ変わらない
そんなに簡単なら誰でもすぐにやるでしょう
すぐに結果が出なくても、絶対に諦めないこと
秘訣はそれだけ
そういうと、その子は、その日の晩から実行に移しました
途中経過をしっかり見せながら、これでいいかどうか聞きながら、
1年間続けました
そして上記のような結果を出しました

その結果を聞いて、その子の親戚が入塾してきました
奇跡を起こしてくれる教室だと、噂になりました
でも、そんなことはありません
その子の親戚の子は1年間全く伸びませんでした
親御さんは子どもに質問しても自分が先に話してしまうような人で、
すぐに結果を求めるタイプでしたから、
家でも相当本人に何か言っていたのでしょう
私の助言を素直に実行するだけの意欲も、素直さも、家庭生活で削がれてしまっているような状態でした
私は待つしかできません
説教は親御さんにしました
何も言わずに信じて待ってください、あの子のように、と思ってここに連れてきたのならなおさら、あの子の環境がどうだったのか、親御さんはどうしていたのか、直接聞いてみるといいですよ、と何度も注意しました
でも、テストの結果を本人より先に親御さんが私に見せに来て「全然上がってない」と苦情を言うのです
私は成績表より問題用紙と答案用紙(1次データ、と言います)を見ていろいろ判断するようにしているので、順位や偏差値を見せられても何も言えません
順位や偏差値は、自分がいくら頑張っても下がることもあるからです
その子が前回の答案と比べて、しっかりとした字で書いているかとか、前回できなかったジャンルの問題に果敢に挑戦してるかとか、練習で解いていた問題が本番で解けていたとか、そんな一次データを見ることで、次につながる助言もできるのです

いろんな「助言者」がいることで、子どもがどんどん意欲を失っていく例だな、と思い、私は教室で、ひたすらその子を「癒やす」しかできませんでした
その子は教室で伸び伸びとサボっていました
学校や家ではサボれないのでしょう
でも、癒やしが最優先の場合、その次の意欲へとつながるまでに時間がかかるのです
傷ついた心身では次に挑めないのと一緒です
ただただ、家で癒やし、信じ、守り、愛してくれていたら、よそで頑張れる、挑めるのになあ…と毎回、その子と趣味の話やオシの話などしながら、私の本来の役目をさせてもらえないことを残念に思っていました
もちろん親御さんは思っていたでしょう
私に癒やしなど求めていなかったことでしょう
私にもっと厳しく、どんどん勉強させてくれ!と願っていたことでしょう
でも、そんなことをしたらその子はどこで癒やせばいいんでしょう
人間に育つために、大切な休息場所や安心できる場所はどこになるんでしょう
本来の役目ではないことをわかったうえで、
親に批判されても、その役を降りるわけにはいかない、と頑張るしかなかったこんな経験は、そのとき1回だけではありません
ついに理解してもらずじまいのことも何度もありました
きっと、やる気も実力もないヤブ塾講師だと思われているでしょう
それでも、私は彼らを壊す手伝いなどできません

挑む気持ち
意欲
もっともっと伸びたい、という向上心

それが、どんな心の安定の上になりたつか、考えてほしい、と思ったのでした

私自身が、生まれて初めて挑戦することで出会った指導者との関係で、自分と生徒たちとのことも考えるきっかけになったという話です
ただただ、私はもっと上手くなりたいという気持ちでいっぱい、そして、自分のダメなところをどんどん教えてもらって、どんどん直したい、そして、昨日できなかったことができるようになる喜びを、味わっているんです

ゴルフに読書に、
いつそんな時間があるの?ってよく聞かれます

1日が48時間あったらな…って願った時期もありました
でも、私の24時間は結構長いかもしれません
やりたいことも、やらなきゃならないこともてんこ盛りで、
家事や子どものこともまだまだ山盛りですが、
時間は、自分で作り出せるものです