むかし、
長女が赤ちゃんの頃、
熱を出してもすぐに病院に連れて行かない私の方針を
知人から猛烈に批判されたことがありました
それ以前から人体や医療に興味があったので、
子どもが熱を出すことの意味を私なりにいつも深く考えていました
もちろん、自分自身の体調の不調にも意味があると

その人は、熱を出すのはもちろん、咳や鼻水でも病院にすぐに連れて行き、
薬を飲ませなければダメだ、と若い母親である私を説き伏せようとしました
私は、熱を出しても「絶対に病院に連れて行かない」なんて言った覚えはないのに、
どうもそう解釈されたようで、なぜかしばらくの間、説教されてしまいました

深く考えることは、とても大事なことです
深く考えることは、本当は当たり前のことです

1日熱を出したくらいで解熱剤を使ったら、
その体はどうなるのか、深く知った人なら想像できるはずです

人は、寝ている間にも熱を出します
夜、訳もなく汗だくになって目がさめたら、それはきっと、
寝ている間に熱を出して、自分で解熱したのでしょう

時には自分で熱を出して、自分で解熱する、そうやって人は、体を守っているのです

最初から化学薬品で症状を抑える習慣をつけてしまうと、
人体は自ら治す力を失うのではないかとその頃、若い私は考えていました
もちろん、医師ではないので、自己責任の域を超えません

娘たちは今のところ健康に成長しており、
幼い頃は私が煎じた自然療法の「おくすり」でちょっとした病気は治りました
校庭でねんざして帰ってきた時も、
裏庭に植えた枇杷の葉とクチナシの実で湿布を作り、あっというまに完治させました
一晩は、痛みで泣きながら寝ていましたが、
ずっと抱きしめて、私も一睡もせず、見守っていました

翌朝にはけろっとしているのです

熱の時も、たいていそうでした

もちろん、かかりつけのお医者様はいて、
いざというときには診察していただき、助けていただきました
でも、
「ただの風邪だから、薬は要らないね」

笑って言ってくださるのでいつも安心して診ていただけました

それを、尊敬する小児科医の山田真先生に話したら、
(講演会のあと、追いかけていって著書にサインをいただきながら少し話せたのです)
「よかったですねえ」と一緒に喜んでくださいました
山田先生のおかげで、健康に育っています、と伝えると
「僕はなんにもしてないよ~」と笑ってくれました

「自由に生きる 笑って生きる」
山田先生にいただいたサインにはそういう言葉が添えてありました

目の前の子どもたちは
自由に、笑って生きているかな

最初に治療ありきじゃなくて、
まずは子どもを毎日、よく見ているかな
何を食べているのかな
何して遊んでいるのかな

小学校に入る前に、させておかなければ、と、
数字やかなのドリルを買ってやらせている、という幼稚園児の親御さんに会いました

熱も出していないのに、お薬を飲ませるのですか

焦らなくて、だいじょうぶ
心配しなくて、だいじょうぶですよ

子どもは本来、強くて逞しい
そして、賢くて優しいのです

自由に、笑って過ごせたら、きっとそのことは
わかってもらえると思います