「毒親を育てたのも親」(18歳 男子)
現代社会の家庭のあり方に疑問を持っている。なぜなら、子どもの虐待や育児放棄のニュースが目立つからだ。
子どもが成長する過程で一番大事なのは、家庭環境だ。子どもの思考力や社会性は、親とのコミュニケーションで養われる。
その大切な環境を築く親は、自分の家庭環境を基礎に、自分たちの家族をつくっていくはずだ。
「なんでこんな子に育ってしまったんだ」などという言葉を聞くが、家庭環境を築くはずの親に言ってほしくない。だからといって、全てを親の責任にしてしまう引きこもりの中年男性については、また違う問題だと思う。
いずれにしろ、自分の子どもに手を下す親は、「毒親」だと考える。自分の家族を顧みずに仕事に固執する父親、自分の子どもの世話をせず、自分のやりたいように生きている母親など挙げればきりがない。そんな親たちを育てた親とは、一体どんな人間だったのだろう、といつも考えてしまう。〈上毛新聞 9/7投書欄より〉

産まれて18年の若者が、昨今の家庭問題をこのように書いています
最近、群馬ローカルの新聞を期間限定で購読しているのですが、その中の、10代限定の投書欄がとても興味深いのです
大人の投書欄はほとんど読まなくなったのですが、10代の投書欄が毎日あるこの新聞は、毎日楽しみです
「子どもの思考力や社会性は、親とのコミュニケーションで養われる」ですって!よくわかってる!

大人は、日々報道される児童虐待のニュースや、引きこもりの人が起こした事件のニュース、学校の先生の不祥事など、どのように受けとめているのでしょう…
18歳にもなれば、このような意見を持つ子もいるのですね

以前、公立中学校の教員を定年退職した恩師が話していました
子どもに問題が生じ、親と面談する、すると、親もまた、その親との関係で問題をかかえているケースがほとんどだ
だから、原因を探って解決しようとせず、子どもと道を見つけるのだ、と

親も困っている
親も悩んでいる
親も誰かのケアを必要としている
そのような状態の場合、子どものことを何より優先し、強い親でいることが難しい場合もあります
親なんだから、子どもを守って当たり前、と私は随所に書きますが、そうしたくてもできない方はいることも重々承知しています
でも、だからといって、この世に産まれてきた新しい命である子どもを、
大人の都合で不幸にするわけにはいきません
自分ができないのなら、誰かに協力を仰ぐことを恐れてはいけないし、
誰かに協力してもらったからって親子の絆が薄れるわけではありません

数日前、「子どもが産まれたけれど、どう接したらよいかわからない親が増えている」という特集をテレビで見ました
それで、親になった人に、子どもとの触れあい方を教える教室があり、結構なニーズがあるようなのです
その教室の様子が放映されていました
親は、インカムを装着してわが子と遊び、聞こえてくる専門家のアドバイスに従って、子どもに声を掛けたり、動作したりするのです

そうか、子どもを授かったからって、誰でも親モードに切り替わるわけではないのか、と改めてびっくりしたのと、これからますます、そのような傾向は強まるのではないだろうか、という不安に襲われました

わが子と一緒にいても、スマホばかり見ている両親、などという光景は珍しくないし、自分たちの言うことを聞かせるためなら言葉や手で軽く暴力的なことをするのも見慣れてしまいました
まるで子どもをモノのように扱い、子どものゆっくりとした発達には興味もないのか…という光景です
また、一見いい親に見えても、この青年が書いているように、家庭より仕事を優先してお母さんの他愛もない子どもや近所や学校の話を聞くこともしないお父さん
子どもの習い事も勉強も全部お母さん任せで、自分は関係ない、と言わんばかりのお父さん
家族ってなんなんでしょうね

その背景には、子どもを育てている、子どもと過ごしている大人の姿をあまり見たことがない、という環境の変化があります

60年くらい前なら、何世帯かで一緒に暮らす家庭も多かったし、近所づきあいも自然に密で、自分が親になる前に、誰かが親となって子どもと関わる姿を見せていたので、ある意味手本がありました
40年くらい前なら、子どもの数も多くて、街中に子どもが溢れ、子どもをどう育てるか、なんて考える暇もないくらいに、わいわいとみんなで子どもを育ててしまえました
20年くらい前になると、ほとんどの家庭は核家族だし、周囲で「生」も「死」も見たことがない、そんな子どもは当たり前になりました
もちろん、親世代もそうなってきました
そして、そのように育った子どもが、親になってきています

じゃあ、社会の環境が変わらない限り、悪くなる一方なのか?などと、悪い方へばかり考えるのは好きではないので、それならこんな風に、どうしたらいいか、一緒に考えるよ、って言っている人を見つけて、交流を図ってほしい、と提案したいのです
ひとりで悩んでいないで、探してほしいのです、仲間を
そのためにSNSを活用してもいいと思うのです
ただし、顔を合わせて一緒に過ごす時間が必要です
どうしても、オンラインだけで信頼関係を構築するのは難しいです
オンラインだけで知り合いだった人と、何かの機会に顔を合わせると、ぐっと親しみが増します
もちろん慎重に連絡を取り合う必要がありますが、
そのために私が出掛けていってきっかけを作れるなら、
これから、そういう活動もしていきたいなあ、と考えています

まだまだ、あまり身動きがとれない現状ですが、将来的には、半ば強引に、そこらじゅうに長屋を、井戸端を、作りに行けたらなあ!!って夢を持っているのでした

ひとりじゃないよ!!