どんぐりは、家庭で、親子でできるものです
親御さんがどんぐり指導者としての勉強をしっかりしていれば、(勉強しながらでも、そのつもりがあれば)
それが一番手っ取り早くていいのです
誰でもそうできるように、糸山先生は何冊もの著書で説明しているし、ホームページや、これまでのメール相談の内容を過去ログという形ですべて公表もされています
私自身も、我が子と「おうちどんぐり」をしてきて、こんなに簡単で、お金もかからず、健康的で、しかも、子どもの育ちを妨げずに能力を伸ばす方法は他にないなあ!と本気で思っているのです

私自身も時々勘違いしますが、私は、親になる前に、塾講師でした
親歴より塾講師歴の方が長いし、どうやらその年数が入れ替わることはなさそうです
そんな私が、ありとあらゆる「教育法」を時には共感しながら、時には反感を持ちながら、勉強してきて、本当に、どんぐり理論の他に、子どもの思考力をナチュラルに穏やかに伸ばす方法はない、と断言できます

人の悩みの99%は人間関係によるもの、と言われていますが、最近の親御さんたちを見ていると、我が子をまっすぐ見つめて悩むというより、自分の周囲のいろいろに惑わされ、悩まされている方が多くなってきているように思えます
それは、こんなに少子化が進んで、こんなに子どもたちの存在が貴重であるにも関わらず、保育園を作ることが近隣の反対運動に遭ったり、公園で子どもが遊ぶ声が騒音だ、と苦情が来たり、公共交通機関でのベビーカーや抱っこでの移動に苦労したりするほど、周囲が子どもに冷たくなってしまったのが一因かもしれません
もう本当に、そんなおかしな考えを子どもや子どもを持つ親に対して持っている人のところに一軒一軒訪問して、考えを改めていただきたいと思うくらいです
まずは、思い出してもらいます、ご自身が子どもだった頃の、武勇伝を
私もDSSで自然遊びをさせているとき、注意してきた中高年の方を説得したことがあります
みんな、思い出してくれますよ、本当は子どもはこうだったよね、って

とにかく、子を持つ親たちがもっと堂々とできればいいなあ、と思う反面、なぜか、子どもがどう育つか、どう見られるかに神経質になりすぎている方も増えている気がして、心配しています

世の中には、子どもと大人がいて、子どもはいつか大人になり、大人はかつて子どもでした
ただそれだけのこと
私たちは、将来大人になる人間を育てているのです

さて、どんぐりをお家で取り組んでいる方におすすめしたいのが「仲間作り」です
仲間は、親にとっても必要ですし、子どもにとってもとても大切なものです

どんぐり学舎では、いつでも好きな時に空席があれば単発で参加できる「ときどきどんぐり学舎」というのを設けています
1年に1回くらいのペースの方もいますし、1ヶ月に2回の方もいます
いつでも、当日でもかまいません
空席があれば、いつでも参加できます
通年で通っている塾生達も慣れたもので、あっという間に仲間になっています

昨日は、「ときどき」さんが図書館で借りたんだ、とギネスブックの図鑑を持ってきました
そりゃもう、その子の机に人だかりです
密!密!(笑)
図書館で順番待ちなんだよ~!とうらやましがっている子もいました

それから、いつものようにアナログゲームをして、それからゆっくりどんぐり問題を解きました
どんなにゲームで興奮しても、クロッキー帳を開くとしーーんとなる教室
「ときどき」さんは、何回か来ると、そんな雰囲気に慣れていきますが、最初はびっくりしてキョロキョロしています
でも、すぐに「そうか、そういうもんなんだな」と自分のクロッキー帳に向き合うのです

昨日は、6年生がこの問題を解いていました

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朝早く目覚めたハム太郎は、突然、もっと筋肉をつけようと思い、どうしたら筋肉がつくのかを色々と調べました。その結果、筋肉豆腐の4/5がタンパク質で、そのタンパク質の1/2が筋肉になることをつきとめました。では、100gの筋肉をつけるには、筋肉豆腐を何g食べるとよいでしょう。

その後ろで、ときどきさんは「イカ君タコ君CD飛ばし問題」を一生懸命解いています
漢字が多くて難しいよ!というので、読み聞かせ方式で解いていました

しばらくして、ときどきさんはイカ君タコ君の作品を解いたのを見せにきました
CD1枚投げて、表が出たらお菓子が7個もらえる、という問題です
せっせとお菓子を描いて、全部数えると正答が出ました
…むむ、待てよ、最初にここに来た頃は、こんなにたくさんの細かい絵図を、こんな風にノンストップで集中して描いていたかな…?
思い出していました
こんなに描けない~と愚痴ったりしていたかもしれません
聞こえないふりをしちゃいますが(笑)
ふむ、今日は愚痴一つこぼさず全部描いてあるじゃないか!
「へえ~正確に描けているもんだ…」私は独り言を言いながら添削をしました

その後ろに、6年生が並びました
さっきの、筋肉豆腐の問題です
最初の頃に出てくる、「半分がタンパク質で、そのまた半分が筋肉」なんて簡単なもんじゃありません
分数が出てきます
でも、予想通り、あっさりこんな絵を描いていました

たんぱくしつが4/5になっていて、
その下に1/2が描かれています
一度この絵で考えた形跡がありました
そのあと、下にこの絵がありました

確信したような筆圧で、数値が書き込まれ、
もともとの豆腐の1/5が50gなんだ、ということを見抜いていました
それで、答えは250g、と正答が出ていました

この絵図を見て、それでも「なんで?」と思う人はいないはず
この子の描いた絵図は、正確に、その数量を視覚イメージで再現されたものです

大人から見れば、「こんなの当たり前だろう」と思うでしょうか
それでも、こんな風にすっきりと分数の状態を絵図にできる子は、平均的ではありません
ためしに近くにいる6年生に、計算を使わず絵図でこの問題を解かせてみるとわかります

「…こりゃあ、完全に見えてるわね」
また私は独り言を言いながら添削をしました
6年生の隣にときどきさんが一緒に立って私の添削を見ていました
だから、私は言いました
「この兄ちゃん、すごいでしょ、難しい問題もこうやって解いてしまうんだ。でも、○○くんも今日、いっこもめんどくさいとか言わず、ぜーーんぶ描いたよね。この兄ちゃんも今までいっちどもめんどくさいとか言ったことないんだよ、だからこんなのも解けてしまうのさ」
神妙な顔つきで聞いていたときどきさん、6年生を羨望のまなざしで見上げていました
「おれ、CD投げ問題、ちゃんとできたっけな?おれやりましたっけ?」
6年生は、謙遜して、わざとそんなことを聞いてきました
本当に優しい子なのです

最後に、来週から3回お休みだけど、おうちどんぐりね!って言って、このプリントを配りました

夏休みの宿題、そんなに出ないよ~と言っている子もいました
うちはどっさり出るらしいよ…と言う子もいました

あのね、おうちの人には話してあるし、ここにも書いたけど、漢字練習とか、計算ドリルとか、頭をあんま使わない勉強をいっぱいするのやめてね
宿題は家族みんなでわいわい終わらしてしまいー!

きょとん…(特にときどきさん)

あのね、みんなは「漢字練習や計算の方がどんぐりより簡単だからさっさとできる~」と楽にやってしまいたいでしょう
でもね、脳みそって勘違いするんだよ
簡単なものたくさん繰り返してると、難しいのやるとき「そんなのやめて~」って拒否反応するんだ
きょひはんのう、ね
いやだ~めんどくさい~やめて~ってね
みんなはそんなこと思わない!って思っても、脳みそがそう思ったらできなくなるんだよ
嫌でしょう
だから、夏休みの宿題でも気をつけて
わたしもね、学校の先生にちゃんと話したらわかってもらえたよ
この宿題は、こういう理由でやらせません、お願いします、ってちゃんと話すと、学校の先生も、「はーい、わかりました!」って言ってくれたよ
おうちの人にはちゃんと話してあるから、大丈夫
まずは「歯磨きカレンダー」を最初の1日で塗るんだよ(爆笑!)
だってどうせ最後にまとめて塗ってるんでしょう?(そのとーーり!!笑)
「毎日やらなきゃならない机に向かうこと」は夏休みはなくていいんだよ~
そのかわり、どんぐりね
いっぱい遊んで、いっぱい絵を描いてね

それじゃ、また8月の終わりに会おう!

最後には、ときどきさん、納得した顔して、塾生と同じ顔して、うんうん頷いていました
仲間の力ってすごいでしょう