少し前に、小学生のわからん帳の作成方法について書きました

今日は、家庭学習を頑張る中学生向けに、
中学生のわからん帳の作成方法について書こうと思います

わからん帳(どんぐり学舎&DKRではQノートと呼んでいます)は、
小学生も中学生も概要は同じで、
「間違えた問題を収録するノート」です

小学生と中学生のノートの大きな違いは、
小学生はすぐに解き直したり分析したりしないでひとまず収録だけしておくこと、
中学生はすぐに解き直したり分析したりして自分のミスを検証する作業を中学生本人が必ずすることです

私は勉強法マニアで、小中学生と30年近く一緒に勉強しています
「塾」としての方針があって、ある決まった勉強法を教えたり、カリキュラムにそって生徒たちに勉強させたりするわけではなく、その子の目標や、性質に合った勉強法を一緒に探し、本人が納得するような方法で納得のいく高校受験を経験できるよう応援し続けています

長年、いろいろな生徒を見てきてわかっていることがたくさんあります
いわゆる、「あるあるネタ」です

少し紹介しますので、参考にしてみてください

英単語50個を覚えるとき
伸びない子あるある→1個目から何回かずつノートに書いて練習する
伸びる子あるある→1~50までを何度も発音しながら和訳も見て、時々テスト形式で書けるかどうか確認する

●理科や社会の問題を解く時
伸びない子あるある→わからないことをずっと考えて悩んで書き込まず、全部終わってから解答を赤ペンで書き写す
伸びる子あるある→問題と解答を並べて出しながらわからない問題はすぐに解答を見て書き込んでいく その際、答えを見て書いた問題と、自力で解けた問題が識別できるよう印をつけていく 最後まで書き込みが終わったら、自力で書けなかった問題だけを自力で書けるまで何度でも挑戦する

●数学の問題を解く時
伸びない子あるある→わからない問題をいつまでも考え続け、自分の解き方を無理矢理絞り出すか、あきらめて空欄のままにしておき、あとで答えを書き写す
伸びる子あるある→わからない問題は解答の解法の一部を見て、少しヒントを得てから続ける、最後まで少しずつヒントを得ながら解き、ヒントを得た問題として印をつけておく
その日のうちに再挑戦し、後日また再挑戦する

●漢字を覚える
伸びない子あるある→あらゆる場面で、できるだけひらがなで書こうとする
伸びる子あるある→国語以外の科目や日常生活でも、できるだけ漢字で書こうとする

●全体的な特徴
伸びない子あるある→テストが終わると解放感で結果は気にしない、テストに関係ないことに興味を示さない、言われたことをこなしたり宿題を終わらせたりすることが勉強だと思い込んでいる、新しい問題集をすぐに買おうとする、「勉強のやり方がわからない」とずっと言っている、「集中できない」とずっと言っている
伸びる子あるある→テストが終わると、返却された答案から自己分析をする、テストに関係ないことやまだ習っていないことにも興味を持って知りたがる、深く考えることが日常、ことば遊びが好き、クイズが好き、隙間時間を上手に使う


色々書きましたが、それでも、「いや、今の自分の取り組み方で結構うまくいっているんだ」と思うならその方法は合っているのだと思うので、無理に変える必要はありません
今の取り組み方に不安がある場合、一生懸命やっているはずなのになかなか効果が表れない場合には、よかったら参考にしてみてください

ざっと上記のようなあるあるを読んでみると、気づくと思うのですが、伸びる子の最大の特徴は、「自分のミスを放っておかない」ことなんです
「わからなかった」「まだ覚えきれていなかった」「自力で解けなかった」など、自分に不足している部分がなんなのかということに自分から興味を持ち、そこを重点的に強化したり補ったりするのです

たとえば、「新しい問題集を買う」ということが、「伸びない子あるある」に書いてありますが、それは、手持ちの問題集や、学校の教科書や問題集などをしっかりと活用した上で、さらに自分の強化したい部分に役立つような新しい問題集がほしい、と思って買うのなら「伸びる子あるある」に含まれるかと思います
でも、なんとなく手持ちの問題集(学校や塾の問題集も含めて)では「やる気になれない」とかいう理由で、「自分に合った」問題集を欲しがったりする子は、結局、その問題集を使いこなすこともなく終わるのがよくあるパターンです

自分のミスを放っておかないために必須なのが、「わからん帳(Qノート)」なのです

これは、ことばや手法は違っても、多くの元受験生が紹介している方法です
自分のミスを集めて分析し、ミスのままで終わらせない、
そういう目的で多くの受験生が実践している方法なんです

それを、どんぐり倶楽部では「わからん帳」(どんぐり学舎ではQノート)と呼びます

手順1:科目別にノートを用意する→自分が収めておきたいミスを必ず「正答」と一緒に収録していく※1ページに1問が原則 多くの空白を空けておくことが必須

ここまでは小学生と同じです
中学生はその後、

手順2:収録直後に、必ず「解き直し」をする

テストの時は間違えたけれど、ケアレスミスなら解き直しただけで解決することもあります
わかっていないミスの場合、解き直しても途中までで止まってしまうでしょう

手順3:解き直して、解決したら解決したことがわかる印、解決しない場合は、以下の2つの方法で解決へ進む
解決しない場合の対処方法①参考書や教科書、時にはネットを活用して自力でできるだけ調べる
解決しない場合の対処方法②「先生」に質問して解説を書いてもらう

ミスした問題を、自力で解けるまで進めることができれば、そのページは完成です

さあ、1ヶ月後、3ヶ月後、1年後、そして、入試の前に、そのページを見ることを想像してみてください
「解けなかった、間違えた、忘れていた」→「自分で調べた、または解説を書いてもらった」
という過程が収まっているのです

1度間違えた問題は、また間違える可能性もあります
心配なら何度でもまた、そのノートに貼付した問題を見ながら再挑戦して試します
そして、また間違えたらまた収録すればいいのです

ちなみに、
人間は覚えた瞬間から忘れていきます
忘却曲線、で検索するとデータが出てきます
テストの前に一夜漬けで知識を詰め込んでも、それは短期記憶で、長持ちはしません
記憶を長持ちさせる方法もいろいろな人が紹介していますが、
1度覚えたからといって、何もせずに何も考えずに放っておいたら、全部きれいに忘れてしまいます
そのことについては、また来週書こうと思います

わからん帳は宝のノートです
いつでも見返せるようにしておくことと、受験勉強に活用すること
そのために1年生の最初から作成していきます

自分が収録したい、と思ったミスはどんなものでも収録していいのですが、
一応、最低限の基準があります

数学・理科…宿題の問題集、小テスト、単元テスト、定期テスト等全ての問題についてのミス(ケアレスミスも含む)
社会・英語…定期テスト等大きなテストについてのミス
国語…定期テスト等大きなテストについてのミスのうち、「漢字」「文法」「古典」に関するもののみ

手順3の提出先の「先生」ですが、
理想は学校の先生です
学校の先生にこのようなノートを提出したら、きっと、意欲を認めてもらえるし、普通、とても喜んでくれるはずです
でも、学校の先生はいつも忙しそうなんです…という生徒たちの話も聞きます
すぐに返却してもらうのは難しいかもしれないので、1科目につき2冊以上は用意しておきましょう
でも、手渡したノートが3日間返却されなかったら、次はその先生に出すのはやめておきましょう
塾に行っている場合は塾の先生がいいでしょう
塾に行っていない子はどうぞ私に送ってください

DKRでは、わからん帳(Qノート)添削もしています

手順1~2まで済んだ状態のノートの写真をメール添付で送ってください
私が手順3の解説を書いて返送します

添削は1問500円です
無料では私がパンクしてしまうので、有料にしています
その1問が解決するまで費用も1問分として扱います

これは!!と思う質問をお小遣いでしてくれてもいい
親御さんに協力していただき、費用を融資していただくのでもいいです

お金に関することは、いずれにせよ、最初に保護者の方と相談させていただきます
ちなみに、当然ですが実教室の生徒と通信生に関してはQノート添削料は授業料に含みます
実教室の生徒は全科目、
英語通信添削生は英語、数学の添削生は数学のQノートはいつでも何度でも添削します

メールでの質問の仕方は、
先ほども書いたように、手順2までの状態のノートの写真を添付したメールを送ってくれればいいのですが、最近多くて悩んでいるのが、「それきり」というケースです

私が解説を送っても、「なんの反応もない」というケースです

だから、メールで質問した場合には、以下の手順を守ってください

手順4:解説を見て、再度挑戦して解決した状態のノートを送ること

私が解説した後、どうなったのか、わからないままのケースは本当に困ります
添削料は納めていただいても、その後本当に解決したのかどうか、もっと別の解説が必要だったのではないかとしばらく悩んでしまうくらいです

だから、かならず、解説のあとの返信をしてください
再挑戦して、自力で解けたよ!わかるようになったよ!という様子を教えてください
何往復しても解決するまでが「1問分」です
納得がいくまで、解説を要求してくださいね

そこまでで、メール質問は完結とします

実教室の塾生の場合は、ノートを私に出すと私が付箋を貼ります
付箋を貼ったページは「未解決」の印なんです
私が解説を書き、生徒が納得するまで、解決のしるしをつけるまで付箋は貼り付けたままです
付箋は、生徒の解決のしるしを確認できたら私が剥がしています

実教室ではそんな風にQノート学習法を実践しています

DKRの卒業生が高校生になって、この方法を実践し続けて大学入試を突破している子もいます
高校生になると提出先がない、と悩んでいる子もいますが、まずは学校の先生に相談してみてください
きっと、力になってくれる先生がいるはずです

今日は、中学生に向けて、わからん帳の作成方法、活用方法について説明しました

やらされる勉強は、いつか飽きてしまいます
自分が何をやっているんだろう、といつか振り返り、嫌になってしまう時が来ます
自分からする勉強は、いつまでたっても飽きません
私なんか、まだまだずっと、勉強し続けています
いつまでもなかなかできない分野もあるから、自分で工夫して勉強を続けています
だから、飽きません