みんな、何をしているんでしょうか

D→K Room(どんぐり学舎中学部)のとあるいくつかのクラスと
どんぐり学舎の人数が多めのクラスの今週のひと幕です
みんながしているのは「新聞タワー」です
現在大学2年生の長女が高校に入学して間もなく、
担任の先生がクラスで実践してくれたもので、
その後、調べてみると、大人の集団(新人研修とか)でもよく実践されているものなのだそうです
いわゆる、PDCAサイクルを体感するためのものなのだとか
手法を調べていたら面白そうだったので、
子どもたちがやってみたらどんな感じになるのかなあ、といつかやってみたかったのです
用意するものは新聞紙とセロファンテープ、そしてメジャーです
チームに分かれ、3人以上の場合リーダーを決めた方が良さそうです
いろいろ試しました
リーダー、という言葉を出さずに始めたクラスも
リーダーを最初に決めてみたクラスも
子どもたちの場合、リーダーを決めると、全責任を負わなければならないような誤解をするようで、リーダーになった子がプレッシャーを感じているように見えました
自分の意見やアイディアをどんどん言える子もいるし、
指示を待つ子もいます
指示に従ってパーツを正確に作れる子もいます
指示を無視してひとりでやってしまう子もいます
時間制限を設けます
今回は5分でした
のんびりしちゃいられません
最初から「こんなの1人でやったら楽勝じゃね?」と口に出して言う子がいるクラスもあり、
誰かがそんな風に言うと全体的にそんなムードになり、協力しなくなるから不思議です
私は新人研修のつもりもなければ、PDCAサイクルとか…そんな難しいことを考えているのではなく、ただのアイスブレイクとして試しにやってみただけなんですけど
でも、子どもたちの「今」、そしてそれぞれの気質がよく見えるイベントでした
中学部では「しばらくやってみよう」という話になり、
よーし、来週までに作戦立てておこう、などと言いながら帰った子もいるので楽しみです

新聞タワー
いろんな子どもが集まる場所でなら楽しめると思います
大人の集団でももしかしたら
道具は「新聞とテープ」のみ
枚数は6枚、切ってもちぎっても丸めてもOKです
床や壁に貼って支えるのはなし
制限時間になったら手を離し、10秒自立すれば成功です
その間に高さを計ります
一番高いチームの勝利です
何回か挑戦すると、学びがあるらしいですよ

それにしても、
新学期、子どもはたださえ緊張しているのに、学校でさらに緊張させられるようなスタートをさせられ、すでに重圧を感じている子が多いようです

学校の先生も新学期に抱えるものは計り知れないほど多いのだと思いますが、子どもに関わる私たちが忘れてはいけないのは、子どもの「はじめのいっぽ」を大切に思うことです
何も考えずよっしゃーー!と新しい環境に飛び込める子もいるし、ものすごく勇気を出して飛び込む子もいる、勇気は出そうとしているけど、なかなか踏み出せない子もいる
踏み出したものの、2歩目がどうしても出ない子もいる…

それは家庭の責任だ、と先生たちはおっしゃるかもしれません
でも、子どもと過ごす専門家でもある先生たちには、
少しだけ、もう少しだけ子どもたちに向ける手の差し伸べ方の、バリエーションを増やしてほしいのです

先生のたったひとことで、救われる子もいます
明日また一緒に楽しもうね、ってニッコリすれば、子どもは先生を信じてまた「明日」を迎えます
異常ですが、マスク越しだし、楽しい息抜きのはずの昼食の時間さえ楽しめない昨今、先生がひとりひとりに働きかける必要性は、以前より大きいです
そんな余裕はない、やらなければならないことは異様に多く、先生自身の私生活でさえ危ぶまれてしまっているのだ、と方々から聞きます
誰が先生をそんなに追い詰めているんでしょう
どうしたらそんな状況から先生たちを助け出せるのでしょう
でも、ずっとは続かない
子どもは逞しいです
はじめの一歩だけを助けてあげればあとは自分で歩き出します
どうか、
ひとりでも多くの先生が、
子どもたちひとりひとり、はじめのいっぽの大きさも、強さも違うってことを知り、それぞれに愛情を持って言葉をかけ、笑顔を向けてあげてくださいますように