今週は午前中から出かける用事が立て続けに入っていた珍しい1週間でした
夜型人間にはあまりない日々です
今週のこと、いろいろ書きたいことがあるけれど、
いま、私の中にまんまるのきらきらのふわふわの…
すごく素敵なのが渦巻いている、そんな気持ちを書いておこうと思います

今週いろんな場所で話した「どんぐりってなんだ」「子育てってどうしたらいいの」「これからのことが心配」「どうしたらそんな風に育つの」「思考力ってどうやって育つの」
いろんな話題の答えが、
すっかり見えた夕べ
って感じでした

DKRoom
今年度最後の1日

小学生の頃から…
どんぐり学舎からDKRoomへ自分で入室届を出し、
中学3年間、独学でがんばっていくぞ、と決めた子どもたち
小1とか小2からずっと、
昨日まで通ってくれたこの小屋で
最後の授業をしました

1人は私立の内部進学で高校が決まっていて、
残りの子は第1志望校の公立高校の発表待ちです
第2志望校には合格しています

最後の授業はアナログゲームをしながらひたすら笑って、喋って、終えました

最初はクワークルをしました
次に
タギロンをしました
クワークルもタギロンも、
家族では楽しんだけど教室ではなかなかできない難しいゲームです
ものすごくアタマを使うし、
深く考えなければなりません

タギロンは特に、
勝負を終えた後「これは、中3にしかできないかも!!」とみんな言っていました
「でも、超たのしい!!」と
私は「このメンバーでしかできないかも…」と正直思っていました
そして、
この段階で、私は彼らに完全に敗北していることを認めていました
タギロンをしている最中の彼らの表情はまさに「思考中」で、
他を寄せ付けない集中力、難問に果敢に挑む勇気や、それを楽しむ強さを感じました
私は彼らに見とれていたせいもあるけれど、
自分のターンでできることに限界を感じ、半ば勝負をあきらめてしまっていました
家族で楽しんでいた頃はもう少し余裕があったのに、
そういえば、次女がどんどん強くなっていくのを途方に暮れる気持ちで見ていたのも思い出しました

私が教えたのではない、誰が指示したのでもない、
単純な思考では解けないパズルを、あきらめず、勇気を持って楽しんで解いている
素晴らしい光景でした

タギロンのあとはボブジテンをしました
3シリーズのうち、2を生徒たちが選んだので、時間の許す限りボブジテンを楽しみました
これは小学生とも時々するのですが、
やはり中学生の語彙力はゲームをますます面白くするんだな、と感動しました
自分だけが知っていることを誰かに説明する
しかも、カタカナ語は使わずに
そんな説明ゲームですが、これは子どもたちに人気です

時間が来て、
この日のDKは閉室しました

最後なのか~
さみしいよう~
そんなことを言ってくれて、お互いに別れを惜しんでいたけど、
私は考えないようにしていました
毎年のことだけど、
中3を送り出すのは寂しくて、悲しくて、笑っていられるように考えないようにします

特に、
小学校低学年からここには通い続けてくれる子が多いです

だから、
小さかった頃から今日までの色んなこと、
保護者さんたちと話した色んなこと、
思い出すと思いが溢れて止まらなくなりそうで、
はいはい、では、では、と、いつものようにドアを開けて送り出しました

最後にクッキーを作ったのを渡したら、
何気なく描いた落書きを「なつかしいっ!!」と喜んで、
ジャンケンして取り合っていました
小学生の頃、どんぐりを解き終えると描いていたのを覚えていてくれたんです
(あまだれくん、ほのおちゃん…)

教室を出ると、写真を撮りましょうよ、と保護者さんが私たちを撮ってくれて、
そこまで我慢したけれど、
母屋に帰って生徒たちがくれた手紙をおそるおそる開封してやはり、
思いは止まらなくなりました

不安だっただろうな
迷いや戸惑いの連続だっただろうな
子どもたちもそうだけど、保護者さんたちもみんな
それなのに、
どんぐりを信じて、
私を信じて、
こんなちっぽけでオンボロの教室に、
今日まで通い続けてくれた
他の塾が週に何日も、朝から晩まで自習室開放も、入試対策講座なんかもしているのに、
DKは週に1日2時間を3年間変えずに貫くのです

生徒たちの手紙には、

どんぐりしてたから中学生になっても少し難しくて時間がかかりそうな問題もあせらずあきらめずゆーくり解こう!って思えたよ

DONGLISHのおかげで英語大好きになったよ

友達に「塾行ってる?」っていう質問を何度もされたことがあります
説明するのもムズかしいので、いつも私は「一般的にみんなが知っているやつじゃないけど行ってるよ」と言います
最近自分の学力が少しずつのびてきて自信を持つようになってから、とても時間を有効に使えるようになりました
私がみんなが行っているとこにかよっていたならば、どれくらいになっていたんだろうな、と思うことがあります
今、私が考える限り、絶対伸びない
伸びたとしても一時的なもの、もしくは現在の学力には至っていないと思います

自分に謎の自信はありました
その自信がどこからのもので何を根拠に言っているのかわかりませんが、これはどんぐりがあったからじゃないかなって思います
今までの何気ないどんぐり生活は無駄じゃなかったんだ!と気づけた気がします
後悔も、ああしとけばよかった、というのもほとんどありません
未来の自分は自分でつくれるんだ、これが証明されました

とってもいい環境に育てられたな

その他、親御さんや、私への感謝の言葉が綴られていました

小学生で、どんぐり教育を選択した親御さん、また、選択しようと検討している親御さんたちは、「どんぐりのあと、どうなるんだろう」って思っているようです
今週、いろいろな場所でどんぐりの話をしていて、そういう質問が多かったです
学力はどのようにつくのでしょうか
中学生になって遅れをとらないでしょうか

多くの質問に、おしゃべりなくせに説明が下手な私がちゃんと答え切れたと思っていないので、ブログでこのあと補足していくつもりですが、私の説明よりなにより、毎年、このようなDK生が育っているこの環境を、どうぞ見てください、と言う方が早いかもしれません

彼ら本人達が毎年言うように、
他塾とは全然違う状態で、
家で自分でしなきゃならないことを探してやってた
あれをしろ、これをしろ、と命じられずに受験勉強を進めることは、
ある意味楽だけど、ある意味大変なことでしょう
なんとなくやる気が出ないけどやらなきゃならない時に、
塾の長時間授業などで無理矢理勉強させられていたら、
イヤでもたくさん勉強できたのかもしれない、と言った子もいました
でも、
結果として、そんなことをしないでも、自分の力で未来を切り拓くことができ、
その実感をみんな、しているんです

そうやって頑張れる子は特殊な子なのでは?
と、よく言われます
もう、そう思うのなら話はおしまいです

「うちの子がそうなるとは思えない」
これもよく聞く言葉ですが、
そう思っているうちは絶対に確かに「そうなる」ことはないでしょう

タギロンを真剣に解いているこの子達の顔を見ていたら、
小学生時代にどんぐりを解いていた顔を思い出しました

そしてそれぞれの子に、それぞれの時期にあった親御さんの葛藤、
悩みを聞いたこと、手紙を書いたこと、面談をしたこと
中学生になって、
親は勉強に関与しないで、清潔であったかい寝床と美味しいご飯だけ(それと送迎と授業料)お願いします、という私の言葉を、しっかりと守ってくれた保護者さんたち
子どもを信じ、私を信じ、子どもがどんな状態でもまるっと包み込むことを忘れないでいてくれた保護者さんたち

だから
こんな風に育ったんです

どうなってほしいとか、
こうあってほしいとか、
それぞれ思っていたのかもしれないけど、
一生懸命、
この子はこの子の人生を歩んでる、とご自身に言い聞かせているように見えました
子どもの人生を邪魔しない
子どもの本質を崩さない

だから
こんな風に育ったんです

賢く、優しく、思いやりのある子に
自ら考え、考えを深めることを楽しむ子に

ありがとうございました
出会わせてくださって
ありがとうございました
こんな教室や
こんな私を信じてくださって

ただ、それだけ
この気持ちを一生忘れたくなくて、
ここに書いておきます

生徒たちはそれぞれプレゼントを渡したり、
言葉を掛け合って別れていました

私も、
手作りのシフォンケーキをもらいました
さっき、一段落していただくと、
味も食感も食べたことがないほど美味しかったです


大変なことも多く、
最近は、へこむことも増えました
でも、
この瞬間があるから続けています
まっすぐに私を信じてくれる生徒さんや、その親御さんたちがいるから、
毎日がんばろうって思えます

本当にありがとうございます
いつまで続けられるかわからないけれど、
ひとまず、来年の今頃も、こうして卒業の日のことを泣きながら書けますように

卒業生と、保護者さんたちに例年通りどんぐりDK体験記の執筆を依頼してあります
春には公開できるよう原稿を待ちたいと思っています

楽しみにしていてください