夏休みは「お宝月間」で、
どんぐりの子たちはみんな、
学校の授業がない分、のんびりお宝問題に取り組めたのではないかと思います
私も今日から実教室で夏休み中のお宝問題の添削をどっさりすることが予想されるので、
今から手首の準備運動をしているところです(笑)

子どもたちは夏休みでしたが、私は8月末に4日間休みをいただいた他は、
夏休みときどきどんぐりや、オンライン授業、教材作成や添削や相談の仕事を休みなく続けていました

この夏も、
いろいろなことがありました
いろいろ考えさせられました
1ヶ月、全く会っていない(教室に添削に来ることができなかった)実教室の生徒さんたちのことも、
想像しています
たっぷり遊んで、決められた作業宿題、管理宿題などしないで、どんぐりのお宝をのんびりやって過ごせたのならいいな~って想像しています

さて、相談の方では、夏休みの過ごし方の悩みや、どんぐりの進め方の悩みなどが相変わらず多く寄せられました
みなさん悩んでいらっしゃって、私としてもなんとか力になりたいのですが、どうしても及ばないことがもちろんあります
結局は、
家族でふんばるしかないのです
直接会って励ませたら…何か手伝えたら…こっちで一緒に遊ぼうよ、って誘えたらいいのですが、
なかなかそういう距離にお住まいの方ばかりではなく、
遠くで、孤独に頑張っている親御さんたちに何も力を貸せないことをもどかしく思っています

そんななか、
夏休みの集大成、とも言うべき作品が添削で送られてきました
貼り付けた画像はその子のお宝問題で、
添削したのはこの問題ではなく、3MX35の赤白カード問題です

3MX35
レッドカードとホワイトカードを、合わせて9999枚買って7人で同じ数ずつに分けます、一人ずつのカードが、半分はレッドカード、半分はホワイトカードになるようにするには、最高で何枚、最低でも何枚のレッドカードを買わなければいけないでしょう。

どんぐり経験者ならこの問題に泣かされた経験を思い出すと思います
なんでこんな変な買い方するんだろう、と文句を言いたくなるような、奇妙な買い方をするんです

でも、やっぱり前から順に、絵にしながら問題文をゆっくり読み進めていくと、
迷わず描けて、解けます
迷わず描けて、解く子もいます
でも、ほとんどの子が、何度も何度もお宝に入れる問題です
(最後に正答を書きますので、ぜひ、絵で解いてみてください)

この添削を送ってくれたお母さんからのメールに、
「3年越しです」と書いてありました
この言葉に私は感動しました

すんなりと解けることもすごいことかもしれません
でも、
3年も待てたこと、
3年も挑戦し続けたこと、
そして、ついには自力で解いてしまったこと

なんて素晴らしいんでしょう

そこで、冒頭の画像です
夏休みは0mxのお宝などに取り組んで、ついに全問制覇したそうなのですが、
やっぱり糸山先生もよく言っていたように、
0MXは何年生で始めても全問絵で解いておいた方がいい、ということなんです

0MXの解き方で、私もだいたいのことがわかるようになりました
線をひくだけでも、
それまでの学習方法、習得状況、理解力、集中力、向学心などまでだいたいわかります
中学生になったらどんな風になるのかも…
でも、
じゃあ、
その時点で何かわかったとして、
そこからが問題です

たとえばよからぬ特徴を見いだしたとします
これは問題だ、この習慣は直さないとまずい
と、私が指摘するとします

そうすると、どうなるかというと、
だいたいの親御さんが、子どもを責めるのです
こういう風にしなさい、
これはやめなさい、
と、その時点での子どもを操作しようとします

これでは変わらないし、むしろ逆効果です
なぜ、そうなったのかを紐解いて、まずは親御さんの方から変わらないと、
子どもの状態が変わることはないのです

でも、これがどう伝えてもなかなかうまく伝わらず、
子どもの方に責任がある、と思ってしまう親御さんが本当に多いので、
私は、気づいても指摘できないでいることが多くなってきました

これは私がまだ20代の頃、
個別指導の中学生が、どうしても勉強に集中できなくて、
毎回、授業の度になんとか軌道修正するのですが、なかなか勉強に向き合えなくて、
テストの結果はいつも本人や親御さんが納得するようなものではないことがありました
親御さんには逐一いろいろ聞かれたので、私は結構当時はみなまで報告していました
すると、ある時、その子が直接親御さんにお小言を言われるのを聞き、
なんとなく、みなまで言うのが良いとは限らない、と悟りました
中学生だったので、本人といろいろ深い話もできました
その子も私には何でも話してくれました
次のテストこそは、がんばる!と本人も気合いを入れて、その時は3週間前から全科目の準備をして「今日から期末テスト前だから、いろいろ我慢する!」と宣言していました

いろいろ制限して我慢して勉強するのがいい、と言いたいわけじゃなく、本人がそう決断したのならそれを遂行するのを応援するのが私の仕事でもあります
私も一緒に計画を立てるのを手伝い、授業の度に励ましていました

でも、
テスト1週間前に、親御さんはその子を外食やライブに誘ったのでした
たかが外食、たかがライブ
なんですけど、その子のその時の状況と、3週間前からの積み重ねた日々やささやかな進化を見てきた私には驚愕の事実でした
別に、誰しもそういうことをしない方がいい、って言いたい訳じゃないんです
でも、
その子のそのタイミングは最悪でした

最後の1週間ですっかりやる気を失ったその子は、せっかく積み重ねたことも頭から抜けてしまって、
1週間前からはアウトプットの練習、と準備していた私の教材にも手をつけず、またテスト本番を迎えました

結果は思った通りで、何も変わりませんでした
また親御さんにいろいろと結果について質問されたので、
私は、勇気を出して言ったのです
「1週間前から失速しまして…」
ライブや外食のせいだとは言えませんでした
そうしたら、言われたのです
「それをなんとかするのがあなたの仕事でしょう?」

そうなのかな…
そうなのか?
私はずっと考え続けました

その時点で、塾講師歴は8年くらい
まだまだ未熟なひよっこではありますが、
なんだか納得できなくて、かなり悩みました

今でもその言葉が頭から離れません

あれから何十年もたって、
私はまだ同じ仕事を追究しています
私の仕事はなに?
その言葉が脳内に響くとき、考えています

相談したのに、力になってくれないんですね、と吐き捨てられたこともあります
指示通りしたのに、思うようにならないんですけど、と言われたことも

でも、まったく逆の言葉も寄せられます

3年越しの…と報告してくださった親御さんもそうです
3年も待ってくれた
3年も、丁寧な暮らしを心がけてどんぐりライフを頑張った
進んだり、戻ったり、
失敗してやりなおしたり、
子どもに謝ったり、
そんなことの連続だったと思います

でも、こうして前に進んでるんです

糸山先生が、
最後に企画して登壇しようとしてくださっていた大講演会で大きなテーマとして掲げていたのが、

待つこと

でした

みなさんは3年待てるでしょうか
待っていいんですよ
そのためにどんぐりには「お宝」という考え方があるんです

すぐに解けなくても封印していい
再挑戦はすぐにしない
ずっとあとでいい

だから、知らぬ間に進化して、再挑戦したときには以前とは違う解き方をする
それが、
3年後の正解に繋がることもあるんです
正解しなくたっていい
何度も掘り起こして考え続けていい
だから、
お宝
なんです

2学期も楽しんでいきましょう
こんなに楽しい学習法は他にありません
こんなに楽な方法も
ただ待っているだけでいいんです
子どもが、目を輝かせて生活しているかどうかだけ、
しっかり環境を整えれば、あとは待っているだけですよ

3MX35 正解 最高で5001枚、最低で4998枚